小生は辞書ヲタクです。辞書を読んでは愉しんでいます。まあ、酔狂な奇人です。
本書はいわゆる類語辞典のジャンルに入るととも思われますが、多くの文章例に触れることにより文章表現を豊かにするための文章例を網羅した文章表現辞典だと思っています。
小生は類語を調べるときに常用しているのは「類語国語辞典」(大野晋・浜西正人著、以下「類国」)です。抜群に使い勝手が良いロングセラーの類語辞典です。まず、この類語辞典で当たりを付けて、文章表現を本書で探します。
たとえば、「若者」です。「類国」で調べると、「青年」「若人」「青少年」「若い者」「若手」「若い衆」「若造」「未成年」「健児」「小倅」「ヤング」「ティーンエイジャー」があります。「若者」の文章例はどうなんだろう?「若人」でもどうなんだろうかと当たりを付けます。
そして、本書で索引から「若者」を引きます。『若い・初初しい』のカテゴリにあります。以下、見出し語です。「あどけない」「田舎娘」「初初しい」「初心」「男の子」「乙女」「女の子」「生娘」「好青年」「小娘」「思春期」「純情」「純真」「少女」「少年」「処女」「青春」「青年」「天真爛漫」(中略)「若者」「若やぐ」「若若しい」と五十音順に並んでいます。
本書の「若者」の表現です。『▶︎若者(ひ弱な感じのする。四肢がのびやかに発達したりりしい感じの=志茂田。鼻すじの通った目もとの涼しいきりっとした男前の=杉本)。見どころのある立派な若者と見受ける=福永。若者の(心をつかむ。力を生かす。挑戦を妨害する。体が獣のようにしなやか=丸谷)。大きな夢を見るのは若者の特権。颯爽とした若者ぶりに目をみはる=なかにし。若者らしい健康な眠り。▶︎青少年(次代を担う。未来を担う)。▶︎若い男(いちばん下っ端とおぼしい=篠田。皮肉で薄情で蚯蚓(みみず)みたいに冷たい=田辺)。前途に変化を望む若い男の心理=佐多。村の典型的な若い衆。威勢のいい若い衆の声。若い者に(嫉妬する。負けない仕事をする)。まだまだ若い者には引けを取らない=高橋克。血気盛んな若い連中。いなせな若衆。若向きの(デザイン。店。洋服)。次代を担う若人』
最後に「若人」の表現がありました。「若人」にたどり着くために少し手間でしたが、結構そこに至るまで読ませてくれます。やっぱり、「若者」を使って本書の文章表現を参考にして書いてみようかなと思いもします。
たとえば、「嬉しそう」を引いてみます。『顔面筋肉全体をユタユタとゆるめて嬉しそうに女と握手する=武田泰。うれしそうな(笑みを浮かべる。顔といったらない=飯田)。心底うれしそうな顔をする。にこにことうれしそうな顔色。無邪気にうれしそうな顔になる=海音寺。顔が嬉しそうな笑いで崩れる=山口。世の中にこれ以上嬉しそうな表情はあるまいと思われるほどぱっと顔を輝かす=河野。嬉しそうに(飛んだり跳ねたりする=藤原。弾むように歩く=内海)。うれしそうに(犬が吠える。声がうわずる。声を弾ませる。にっこり笑う。瞳が輝く。表情を崩す。目を輝かす。晴れ晴れと叫ぶ。微笑してうなづく。笑い声を立てる。キラキラと眼を光らせる=椎名誠。何度もうなづく=村松)。精一杯うれしそうにしゃべる。子供みたいに嬉しそうに手を叩く=さだ。珍しいオモチャを貰った子供みたいにうれしがる=田辺。うれしげな足取りでついて来る。頬にうれしげな笑いをのぼせる。うれしげに(手を打つ。目を細める。声をあげて叫ぶ)。顔を見合わせうれしげにうなづき合う=池波。この世の憂さも哀れも知らぬげに明るい声で嬉しげに言う=梅本。細かい波が嬉しげにざわめいている=笙野。顔に喜色がみなぎる。声に喜色が混じる。面上に喜色が湧き上がる。少年らしい無邪気の喜色に溢れる=幸田露。喜色満面で礼を述べる。喜色を満面に浮かべる。』
文章例のべ20万、現代作家約400名の作品から20年かけて編纂した、著者渾身の労作です。お薦めです。ぜひ一度手に取ってみてください。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
新品:
¥3,520¥3,520 税込
ポイント: 212pt
(6%)
無料お届け日:
4月1日 月曜日
発送元: Amazon.co.jp 販売者: Amazon.co.jp
新品:
¥3,520¥3,520 税込
ポイント: 212pt
(6%)
無料お届け日:
4月1日 月曜日
発送元: Amazon.co.jp
販売者: Amazon.co.jp
中古品: ¥2,514
中古品:
¥2,514

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
てにをは連想表現辞典 単行本 – 2015/8/27
小内 一
(編集)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥3,520","priceAmount":3520.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"3,520","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"ucI6lh%2BDwfnwW7rknHXpPpcPl7wKBMU58rqeLPbSem0m%2FUC7Cq9CoKMKDd%2F%2Fj5BonaTIsRX%2BzBKSBK%2BjrsEcxgKnrQxEt5nyBrpwgAW0RXJ%2BlV8AerGw89M38RNbDx31oqcjLHnI8Nc%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥2,514","priceAmount":2514.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"2,514","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"ucI6lh%2BDwfnwW7rknHXpPpcPl7wKBMU59uyo6GAMGfT8esMs79%2FwLzDNuNHQEFvFyLZ0RSOLlc1pKgo8atA5JlmT3pxSU%2ByUHh%2FHeb%2Fv3VrcNQOYMv1hT7ngFs%2FqtdqfYkEDZB5CRzdJtizHFMCj4WAwp9mYsaPj9iApmPdyDPp5K75GrBkJDwIu%2Fb6bV9sf","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
「ことばの海を泳いでみませんか?」日本を代表する作家四百人の名表現を類語・類表現で分類。
さまざまな言葉、意外な表現から連想がどんどん広がる面白さ。
発想力、作家的表現力を身につける「書く人のための辞典」。
既刊『てにをは辞典』の第二弾。
さまざまな言葉、意外な表現から連想がどんどん広がる面白さ。
発想力、作家的表現力を身につける「書く人のための辞典」。
既刊『てにをは辞典』の第二弾。
- 本の長さ1312ページ
- 言語日本語
- 出版社三省堂
- 発売日2015/8/27
- 寸法14.2 x 4 x 19.3 cm
- ISBN-104385136416
- ISBN-13978-4385136417
よく一緒に購入されている商品

対象商品: てにをは連想表現辞典
¥3,520¥3,520
最短で4月1日 月曜日のお届け予定です
残り9点(入荷予定あり)
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 三省堂 (2015/8/27)
- 発売日 : 2015/8/27
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 1312ページ
- ISBN-10 : 4385136416
- ISBN-13 : 978-4385136417
- 寸法 : 14.2 x 4 x 19.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 30,700位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2021年8月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2019年10月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
20 年かけて文章例を採集したというから労作です。
■現代作家 400 名の 22 万の文章例を その含まれる 11,600 の見出し語の元に集約し、更に、この見出し語を関連した382 の「引き出し(グループ)」に分類してあります。
この辞典、「ひとつ上の文章表現をめざす」と帯にあるように・・・その為のサポートを期待する利用者(読者)がその大半を占めると思われます。
そこでまず
★ある語句を使った表現の参考にしたい
という要望には豊富な文例が篤く応えてくれるのですが
一方
★的確な言い回しを探している
あるいは
★ひとつの語句(表現)を同じ文章の中で反復したくない、違う言葉に言い換えたい
★ヒネリをきかせたい
★粋な表現はないか
といったリクエストに対しては巷の多くの類語辞典に比べ いくらか前進は認められるものの、この(ほとんど)「文章例辞典」としての成り立ちが逆に制約となってユーザーの思惑を妨げるようなところがあります。
つまり、見出し語数が限定されている(※1)ということ、加えて「見出し語」と「引き出し」が殆ど一対一でしか対応していないため(※2) 結果的に「引き出し」相互の連携が放棄されるという形になっています(※3)。
ひとつ例を挙げると「ごぶごぶ(五分五分)」は「釣り合う・当て嵌まる」の引き出しに入っていて他には入っていません。だから「勝つ・負ける」の引き出しから入っても『優劣』の入った「優れる・劣る」の引き出しからも「五分五分」という表現には理論上たどり着かないことになっている訳です。
見出し語数に制約があるのなら、仮に文章例を 10 % カットして「勝つ・負ける」の引き出しに「五分五分」を文例なしで表記するなり、さらに関連(連想)される他の語句にも同様の対応をすれば、より「ひとつ上の文章表現をめざす」多くの利用者に資する辞典になるのではないか、そして、更には見出し語以外の検索語(当然 文章例で使われている)については太ゴシック体になっているものと そうでないものがあり、実際 当該ページを開いても砂場のなかで一本の針を探すがごとき苦労が伴うことがあり、ぜひ利用者(読者)視点に立ってすべての検索語を太ゴシック化するなどの改善も望みたいと思います。
※1 たとえば「融合」「化合」「哲学」「瑕疵」「仁義」「因子」「紐付き」などの語句は見出し語にありませんし、
「不足」はあっても「過剰」はありません。
※2 厳密には見出し語(11,600)を含む検索語(18,500)には複数のページ(2~3)が表記されたものが 0.45%(80語強)あります(違う引き出しに入っていることになります)。
※3 引き出しや見出し語、文章例から利用者(読者)各自がイメージの連鎖に従い「言葉の海・迷宮」に浸って目的とする言葉や表現に迫って下さい・・・そういう立場に編者は立っているようです。
■現代作家 400 名の 22 万の文章例を その含まれる 11,600 の見出し語の元に集約し、更に、この見出し語を関連した382 の「引き出し(グループ)」に分類してあります。
この辞典、「ひとつ上の文章表現をめざす」と帯にあるように・・・その為のサポートを期待する利用者(読者)がその大半を占めると思われます。
そこでまず
★ある語句を使った表現の参考にしたい
という要望には豊富な文例が篤く応えてくれるのですが
一方
★的確な言い回しを探している
あるいは
★ひとつの語句(表現)を同じ文章の中で反復したくない、違う言葉に言い換えたい
★ヒネリをきかせたい
★粋な表現はないか
といったリクエストに対しては巷の多くの類語辞典に比べ いくらか前進は認められるものの、この(ほとんど)「文章例辞典」としての成り立ちが逆に制約となってユーザーの思惑を妨げるようなところがあります。
つまり、見出し語数が限定されている(※1)ということ、加えて「見出し語」と「引き出し」が殆ど一対一でしか対応していないため(※2) 結果的に「引き出し」相互の連携が放棄されるという形になっています(※3)。
ひとつ例を挙げると「ごぶごぶ(五分五分)」は「釣り合う・当て嵌まる」の引き出しに入っていて他には入っていません。だから「勝つ・負ける」の引き出しから入っても『優劣』の入った「優れる・劣る」の引き出しからも「五分五分」という表現には理論上たどり着かないことになっている訳です。
見出し語数に制約があるのなら、仮に文章例を 10 % カットして「勝つ・負ける」の引き出しに「五分五分」を文例なしで表記するなり、さらに関連(連想)される他の語句にも同様の対応をすれば、より「ひとつ上の文章表現をめざす」多くの利用者に資する辞典になるのではないか、そして、更には見出し語以外の検索語(当然 文章例で使われている)については太ゴシック体になっているものと そうでないものがあり、実際 当該ページを開いても砂場のなかで一本の針を探すがごとき苦労が伴うことがあり、ぜひ利用者(読者)視点に立ってすべての検索語を太ゴシック化するなどの改善も望みたいと思います。
※1 たとえば「融合」「化合」「哲学」「瑕疵」「仁義」「因子」「紐付き」などの語句は見出し語にありませんし、
「不足」はあっても「過剰」はありません。
※2 厳密には見出し語(11,600)を含む検索語(18,500)には複数のページ(2~3)が表記されたものが 0.45%(80語強)あります(違う引き出しに入っていることになります)。
※3 引き出しや見出し語、文章例から利用者(読者)各自がイメージの連鎖に従い「言葉の海・迷宮」に浸って目的とする言葉や表現に迫って下さい・・・そういう立場に編者は立っているようです。
2019年5月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
類語辞典と言えるかと思います。語の充実具合では「日本語シソーラス 類語検索辞典」( https://www.amazon.co.jp/dp/4469021202 )の方が上だと思いますが、この辞書はコンパクトで扱いやすく、大きな辞書のように「よっこらせ」と持ち上げるような手間がありません。手軽にササッと調べられて便利です。
2023年5月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
レビューがよかったので小説を書くための参考に購入。
最初は検索方法がわかりづらく苦戦するも、慣れればなるほどと。
ただ、辞書自体は参考にしたい文章自体が少ないので、書く物のジャンルにより
この辞書への印象が変わるかなと。
最初は検索方法がわかりづらく苦戦するも、慣れればなるほどと。
ただ、辞書自体は参考にしたい文章自体が少ないので、書く物のジャンルにより
この辞書への印象が変わるかなと。
2017年6月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
考える。想像する。思い描く。頭に描く。脳裏に浮かべる。
なんだかここの表現がアッサリしすぎているなと思えばもう少し油マシマシで。
なんだかここの表現がクドクドしすぎているなと思えば塩分控えめ海鮮系をチョイス。
そんな推敲作業にピッタリの一冊です。
インターネットにも類語辞典はあるのですが、自分はこの辞典を好んで使用しています。
紙のページをめくるという作業を挟むことで、自分の書いた文章から一歩だけ心を離すことが出来るからです。
岡目八目という言葉がありまして一歩離れた方が当事者よりも良くわかることは多く、そんな効果を自分にもたらしてくれる一冊として重宝しています。
ただ、粗く削られた文字の鋭さが死に、文章が丸くなってしまう傾向があるため、他の人にもお勧めできるかどうかはちょっと判断の難しいところです。
合う、合わないは、やってみなければわからない所が大きくありますから。
近くの図書館にでも置いてあれば試すことができて良いんですけどね。この辞書、結構お値段しますし。
自分の場合は合っていたため、お勧めはお勧めの一冊です。
なんだかここの表現がアッサリしすぎているなと思えばもう少し油マシマシで。
なんだかここの表現がクドクドしすぎているなと思えば塩分控えめ海鮮系をチョイス。
そんな推敲作業にピッタリの一冊です。
インターネットにも類語辞典はあるのですが、自分はこの辞典を好んで使用しています。
紙のページをめくるという作業を挟むことで、自分の書いた文章から一歩だけ心を離すことが出来るからです。
岡目八目という言葉がありまして一歩離れた方が当事者よりも良くわかることは多く、そんな効果を自分にもたらしてくれる一冊として重宝しています。
ただ、粗く削られた文字の鋭さが死に、文章が丸くなってしまう傾向があるため、他の人にもお勧めできるかどうかはちょっと判断の難しいところです。
合う、合わないは、やってみなければわからない所が大きくありますから。
近くの図書館にでも置いてあれば試すことができて良いんですけどね。この辞書、結構お値段しますし。
自分の場合は合っていたため、お勧めはお勧めの一冊です。
2016年1月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
主に以下のように使います。
ある動詞に対して連想される類語に似た語句群から一つキーワードを絞り、表現を引いていきます。
例えば『感じる』の分野では「印象」「覚える」「感慨」「感覚」「感じ」...等々と続きます。
その中から「印象」という見出し語句を見ると、印象が(⚪︎⚪︎...)印象を(...⚪︎⚪︎)といった形式で幾つか例が記されています。
現代作家が実際に小説で使用した一例も引いて学ぶことが可能です。
作家が表現した文体の一部分を採集していますが、使用例が「どういった文脈からその表現に辿り着いたか」といった深いコンテクストまでは想像するしかありません。
つまり、独立した表現として機能している例と、そうではない例と両方が載っています。
違和感の無いコロケーション学習を遊んで引いて、ときどき会話のなかで使ったりすることが出来るかもしれません。文章力の鍛錬も出来ますが、連想のさらに連想された表現に行き着く為の鍛錬になります。
独特で突飛な表現も沢山あるので、もし物書きをするために学びたいという場合、
寧ろ辞書にこそない例の自分だけの表現を編んでいく逆手の方法から、インスピレーションの助けになることがあるかもしれません。
作家の出典も一覧で掲載されているので、
気に入った文章表現があったら好きな小説家や物語に出会うことも可能でしょう。
ある動詞に対して連想される類語に似た語句群から一つキーワードを絞り、表現を引いていきます。
例えば『感じる』の分野では「印象」「覚える」「感慨」「感覚」「感じ」...等々と続きます。
その中から「印象」という見出し語句を見ると、印象が(⚪︎⚪︎...)印象を(...⚪︎⚪︎)といった形式で幾つか例が記されています。
現代作家が実際に小説で使用した一例も引いて学ぶことが可能です。
作家が表現した文体の一部分を採集していますが、使用例が「どういった文脈からその表現に辿り着いたか」といった深いコンテクストまでは想像するしかありません。
つまり、独立した表現として機能している例と、そうではない例と両方が載っています。
違和感の無いコロケーション学習を遊んで引いて、ときどき会話のなかで使ったりすることが出来るかもしれません。文章力の鍛錬も出来ますが、連想のさらに連想された表現に行き着く為の鍛錬になります。
独特で突飛な表現も沢山あるので、もし物書きをするために学びたいという場合、
寧ろ辞書にこそない例の自分だけの表現を編んでいく逆手の方法から、インスピレーションの助けになることがあるかもしれません。
作家の出典も一覧で掲載されているので、
気に入った文章表現があったら好きな小説家や物語に出会うことも可能でしょう。
2015年10月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ときおり、文章を書きながら表現の方法に悩みます。そうした時、ネットで国語辞典や類語辞典をひき、言葉を選びますが、なかなかうまい表現には出会えません。
この辞典は、似た意味の単語がただ並ぶ類語辞典とは違います。ゆるい関係で結びついた言葉の数々がまとまり、ページが構成されています。たとえば、「進む・淀む」のページをめくると、「悪循環」「足踏み」「行き詰まる」「行き止まり」「推し進める」といった順に言葉が出てきます。
私が使うときは、まず、文章でなにか伝えたい内容があったとき、はじめに頭に浮かんだ単語を調べます。すると、その単語の近くには、思いもよらなかった視点の言葉がいくつもあり、それらの用法が山ほど書き連ねてあります。そうして、どの単語が適当か吟味しつつ、過去のすぐれた作家の文例を読んで楽しみ、文章表現の奥深さに触れることができます。
五十音順に言葉が並ぶ「てにをは辞典」と比べて、こちらの「てにをは連想表現辞典」の方が、文章を書く時には重宝しそうです。
この辞典は、似た意味の単語がただ並ぶ類語辞典とは違います。ゆるい関係で結びついた言葉の数々がまとまり、ページが構成されています。たとえば、「進む・淀む」のページをめくると、「悪循環」「足踏み」「行き詰まる」「行き止まり」「推し進める」といった順に言葉が出てきます。
私が使うときは、まず、文章でなにか伝えたい内容があったとき、はじめに頭に浮かんだ単語を調べます。すると、その単語の近くには、思いもよらなかった視点の言葉がいくつもあり、それらの用法が山ほど書き連ねてあります。そうして、どの単語が適当か吟味しつつ、過去のすぐれた作家の文例を読んで楽しみ、文章表現の奥深さに触れることができます。
五十音順に言葉が並ぶ「てにをは辞典」と比べて、こちらの「てにをは連想表現辞典」の方が、文章を書く時には重宝しそうです。
2019年11月18日に日本でレビュー済み
重宝してます。そして、意味論=レキシコン(心的辞書)学・辞書編集学 の研究にも資するところ、絶大です。