以前、自分の小説(ショートショート)をいくつかのツールで文体診断した際、AIによる感情解析が思っていた以上に優秀なことに驚きました。
【AI】文章解析ツールで小説を診断してみた結果。【無料ソフト】
あれからも色々と調べてみた結果、文章に込められた感情を分析するツール(AI)は、他にもいくつかあることが判明。
というわけで、この記事では、テキスト感情解析をAIが行ってくれるサービス(Webアプリ・API)をまとめてみました。
実際、どのくらいの精度なのか?のテストも改めて行っていますので、興味がある方はぜひチェックしてみてくださいね。
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感情認識AI(ユーザーローカル)
以前の記事でも紹介した、おそらく日本で一番有名な文章感情分析ツール。
ディープラーニングを活用して文章に込められた感情を「喜び」「怒り」「悲しみ」「恐れ」「好き」の5種類に分けて解析。レーダーチャートでわかりやすく表示してくれます。
自作ツールやサイトに機能を搭載するためのAPIも用意されているようです(要問い合わせ)。
IBM Watson Tone Analyzer
かの有名な人工知能「Watson」にも、文章感情分析ツールがあるもよう。
解析できる感情は「怒り」「不安」「喜び」「悲しみ」の4種。同時に文体(確信的/分析的/あいまい)も検出してくれます。
残念ながら現時点では英語のみで日本語は未対応とのこと。
IBM Watson Tone Analyzer - Japan
Amazon Comprehend
AWSでもテキスト感情分析(良い/悪い/中間)が行えます。
同ツールでは他にもキーフレーズ抽出、実体認識、トピック形成、言語検出といったAPIが用意されており、様々な角度からユーザーレビュー等を分析することが可能です。
Amazon Comprehend でテキストの感情分析を行う方法 | AWS
感情解析API(メタデータ株式会社)
つぶやき検索の達人など様々なツール・APIを開発しているメタデータによる文章感情分析ツールがこちら。
感情は「好ましい/嫌い」「嬉しい/悲しい」「怒り/怖れ」の3軸6種で解析可能。
シンプルに文章のポジティブ/ネガティブ度のみ判定してくれる高精度ネガポジAPIなどもあります。
感情を宿したAI(ILU 言語理解研究所)
NLP(自然言語処理)とNLU(自然言語理解)を組み合わせたハイブリッド型のAI。
文意に含まれた直接意図のほか、字面では読み取りづらい間接的意図も理解するそうです。
文章の感情・感性理解だけでなく、文章の要約を行ったりゼロから文章を生成することも可能とのこと。
TECHNOLOGY|ILU 言語理解研究所 | 感情を宿したAI(人工知能)
感情分析AI(株式会社CINC)
最近発表されたばかりのテキスト感情分析AI。
「怒り」「恐れ」「喜び」「好き」「悲しみ」「中立」の6種の感情でグラフ化。同じ言葉でもニュアンスの違いで感情が異なる部分をしっかりと解析してくれるそうです。
まだ具体的なサービスには実装されていないようですが、どんなツールが生み出されるのかいまから楽しみですね。
CINCが人のように気持ちを察する感情分析AIを開発 | 株式会社CINC
どのくらいAIが感情分析できるか?試してみた。
では、実際にこれらのAIがどのくらい正確なのか、感情認識AI(ユーザーローカル)に様々な文章表現を入力してテストしてみました。
※文章の引用元は感情表現インフォです。
まずは「喜び」や「幸せ」から。
結果はこちら↓
しっかりと喜びの感情を認識していますね。「満足感」というキーワードがポイントでしょうか。
お次は「怒り」。
結果はこちら↓
ちゃんと怒りが強くなっています。「癇癪玉」という単語がキーでしょうか。
続いて「悲しみ」。
結果はこちら↓
……飛花落葉(ひからくよう)とか分かるんすね。すげぇ。
最後は「恐れ」の感情です。
結果はこちら↓
ばっちり「恐れ」の感情だけ突出してますね。
今回のテストでは、「嬉しい」や「怖い」といった直接的なキーワードがなるべく含まれていない文章をあえて選んだのですが、ほぼパーフェクトに近い結果に。予想以上にAIが優秀なことが判明しました。
感情豊かな文章を書くには……。
今回紹介したような文章感情分析ツールは、主にマーケティング(商品レビューやSNS分析など)の分野で実用が進んでいるようですが、こういったAIがテキストエディタに搭載されたら、僕ら物書きにとっても面白いことができそうです。
知らずしらずのうちに自分が文章に込めていた感情を明らかにしたり、具体的なデータ(数値)を測ることで読者に与える感情をコントロールしてみたり……活用パターンは色々と考えつきますね。
小説にせよ、セールスレターにせよ、ブログ記事にせよ、どんな文章も読み手の心を動かす(感情を揺さぶる)ことができなければ意味がありません。
文章に込められた感情と、それを読んだ人が想起する感情が必ずしも一致するとは限りませんが、こういったツールを上手く活用して様々なデータを可視化しつつ、感情豊かな文章が書けるようになりたいですね。
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