- AIなどを使って文章を自動生成するツールにはどんなものがあるの?
- どのくらい凄いの?精度は?
- 将来的に、ライターや作家の仕事はなくなってしまうの?
こんな疑問に応える記事を書いてみました。
結論から先に言ってしまうと、現時点で文章自動生成ツールはプロライターの脅威ではないようですが、将来的には多くのライターの仕事を奪うことになるだろうと感じました。
しかし、僕としてはむしろこういったツールはライターの敵ではなく強力な味方になり得ると思っています。
「仕事を奪うのに味方?」とはどういうことか、以下で解説します。
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AI(文章生成ツール)に奪われるライターの仕事とは?
AI(人工知能)が得意とするのは、特徴をパターン化(法則化)しやすいジャンルの仕事です。
ライターの仕事で言うと、文章構造のフレームワーク(PREP法など)に沿って情報をまとめるだけの文章などは、こういったツールの得意とするところでしょう。
【PREP法】簡単に「文章構成力」をアップさせる2大テンプレート【起承転結】
副業系ライターの世界では、ネットメディアやアフィリエイターから依頼されて「1文字◯◯円」などで記事を大量に書く仕事が一般的ですが、こういった文章は早晩すべてツールによって自動生成されてしまうでしょうね。
物語にも類型(三幕構成やビートシートなど)があるので、小説家や脚本家も安泰というわけではありません。現実にハリウッドなどでは、脚本の出来をAIが判断していると聞きますし、AI自身が脚本を書く試みもすでに実施されているようです。
これらの文章は、いわゆる「誰でも書ける文章」というやつです。法則に則って情報をまとめただけのキュレーション文章はルールさえ知っていれば誰でも書けますし、それは人間でなくても良いというわけですね。耳の痛い話ですが。
上記のような仕事が完全に消滅することはないと思いますが、その単価が下がり続けることは間違いありません。なにせツールよりも安くできる人間にしか仕事が回されないのですから。
現在のところ、AIだけで完全に文章を自動生成するのは難しく、小説にせよニュース記事にせよ、ほとんどの場合で人間の手が入っているようです。
今後はそういった「修正」だけを行う仕事がライターに回されるケースも増えてくるでしょうし、その仕事すら進化したツールによって奪われてしまうでしょう。
現時点ではあくまで予想の範囲でしかありませんが、これまでのテクノロジーの進化スピードから考えるに、そんな未来が来るのはそれほど遠くないかもしれません。
ライター+文章自動生成ツールが最強?
恐ろしい未来像を書きましたが、見方を変えればこれはある種の希望でもあります。
「誰でも書ける文章」がすべてAI(文章生成ツール)に奪われてしまうということは、言い方を変えれば「自分にしか書けない文章」に注力する環境が作れるという意味でもあります。
情報収集や整理・分析、書き上げた文章の校正作業など、これまですべて自分で(もしくは誰かに頼んで)行っていた作業がツールで安価に済むようになれば、僕らはそのぶんだけ文章そのもの=アイデアや表現方法などに時間を使うことができます。
人間の個性は独自の視点や物の考え方にあり、AIはそういった個性を模倣することはできても、ゼロから個性を作り出すことは不可能に近いです。
彼らツールは、主役そのものではなく主役を引き立てるサポーターに徹したほうが輝きます。僕が文章自動生成ツールをライターの味方だと言ったのは、こういった意味です。
様々なツールの得意とする技術を上手く組み合わせつつ、自分の個性を引き出すブースターやサポーターとして活用する。それこそが未来のライターのあるべき姿と言えるかもしれませんね。
おすすめの文章自動作成ツール9種
上記のような視点で見ると、これから紹介する文章自動生成ツール(アプリ)が大きな武器となることが実感できるかと思います。
GPT-2
アメリカの非営利企業OpenAIによる文章自動生成ツール(自然言語モデル)。
文章の書き出しを与えると、独自のアルゴリズムによって続きの文章をどんどん自動生成していくという仕組みです。
そのあまりの完成度の高さから、フェイクニュースなどへの転用を恐れてコードの公開を延期したほどだとか。
現在は英語版のみですが、日本語に機械翻訳しただけのものでも「このレベルの文章がすでに完全自動生成できてしまうのか……」と驚愕しますね。
Better Language Models and Their Implications
Articoolo
こちらは日本語にも対応しています。
複数のキーワードを入力すると、それに対応した記事を自動生成するという仕組み。有料ツールですが無料でも試せます。
日本語バージョンを試してみたところ、完成度はまだまだといった印象でしたが、こういったものの精度は日進月歩なのでそう遠くないうちに実用可能レベルになるかと。
英語版ではさらにサマリー(要約)や文章のリライトにも対応しているそうです。
自動要約ツール(ユーザーローカル)
こちらは文章自体を自動生成するのではなく、入力した文章の要約文を作成してくれるツール。
文章で重要だと思われる箇所を抽出し、3行・5行・10行のダイジェストでまとめてくれます。
情報収集のお供にも使えそうですね。
ゴーストライター
ベースとなる文章を入力すると似た文体の文章を自動生成してくれるという、マルコフ連鎖を使った文章生成ツール。
生成される文章のテーマなどは設定できないので、自分や他人の文章のクセ(文体)を調べるのに使うといいかも。
easy writer
こちらは音声ファイルから文章を自動生成してくれる、いわゆる「文字起こし」のツール。
基本有料ですが、1ヶ月は無料お試しが可能です。
Skylera(スカイレーラ)
テンプレートと入力された単語を組み合わせて、短い文章を自動生成してくれるTwitter投稿などに便利なWindowsアプリ。
ずいぶん昔に更新が止まってしまっているのがちょっと残念ですね。
直子の代筆
ビジネス文書やメールなどの文章を自動生成してくれるソフト。
Windows版のほか、Android版もあり。
そのうちワープロソフトやメールソフトにこういった機能が標準搭載されちゃうんじゃないかぁ……。
パーフェクト・サテライト・ライター(PSW)ver.2
こちらはアフィリエイターに人気の文章自動生成ツール。
一昔前はこういったソフトが自動生成する文章は支離滅裂でとても読めたものではなかったのですが、最近はそれなりにしっかりとした文章が作れるよう進化したもよう。中でもこのツールはなかなかのクオリティです。
とはいっても、こういったツールで自動生成しただけの文章は読者からも検索エンジンからも評価されにくいので、適切なリライトを加えるか、アイデア出し代わりに使うのがベターかもしれませんね。
即席アイデアメーカー(タロットプロット)
いまのところ小説の文章を自動生成するツールで、僕らが自由に使えるものは残念ながら見当たりませんでした。
物語のアイデアを出してくれるツールや構成補助ツールならいくつかあるので、これらを組み合わせれば自動生成っぽくなるかも?
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ライターの未来は明るい。
今回の記事は、もともとはライターに警鐘を鳴らすような内容を想定していたのですが、調べを進める中で考えが少し変わり、最終的にはこういった内容に落ち着きました。
記事を書くにあたって色々な文章自動生成ツールをあらためて触ってみたところ、脅威に感じるというよりも逆に良い刺激になり、新しいアイデアなどがいくつか出てきたりもしたんですよね。
今後、文章生成ツールの進化が進めば、読者が自分の好みに合わせた物語をツールに自動生成してもらうなんてこともできるようになるかもしれませんが、そういった時代だからこそ、読み手の想像を超えるような異なる価値観を持った小説や記事との出会いが貴重になるような気がします。
※自動キュレーション型のニュースアプリだと、意外なジャンルのネタとの新しい出会いが生まれにくいのと一緒ですね。
そんなWin-Winの未来も、決して夢物語ではないのかもしれません。