小説の書き方

「小説」に学ぶ秀逸な書き出しのコツ7選【インパクトか共感か】

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読者

  • ありふれた挨拶文、どうでもいい前置き文etc……。自分の文章のつまらない書き出しをなんとかしたい。
  • 名作小説のような秀逸な書き出しに憧れる。やっぱり才能がないとこういった文章は書けないのかなぁ・・・。
  • 小説以外にも使えて、誰でも書ける「書き出し」のコツを教えて!

こんな悩みをお持ちのあなたのために、インパクトのある小説の冒頭文から学べる文章の書き出しテクニックを解説します。

「書き出し」は非常に奥が深い世界。僕もまだまだ修行中です。

現在、このブログの書き出しは、テーマに合わせた悩みを紹介していることが多いですが、これが完成形では決してありません。

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もっと読者の興味を惹きつける印象的な書き出しは作れないものか・・・。

文章を書く人なら誰しもが、こんな悩みを抱えているのではないでしょうか。

そんなとき参考になるのが、小説の書き出しです。

たった一行で物語世界への想像が広がり、爆発する。魅力的な書き出しの数々。みなさんも心に残っているお気に入りの書き出しがいくつかあるのでは?

というわけで、今回は、

この記事の内容

  • 秀逸な書き出しが持つ3つのチカラ
  • 小説の具体例から学ぶ書き出しテクニック7選
  • やってはいけない書き出しの例3つ
  • おすすめの書き出し系サイト・本6選

こういった情報をまとめてみました。

情報洪水に溢れたこの時代。書き出しが平凡で退屈だと、読者はあっという間に本やブラウザを閉じてしまいます。

せっかく書いた渾身の文章を最後までしっかり読んでもらうためにも、読者の興味を惹く書き出しを作れるようになりましょう!

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秀逸な書き出しが持つ「3つのチカラ」とは?

秀逸な書き出しが持つ「3つのチカラ」とは?

続きの文章を読ませる

すべての文章や言葉は「先を読みたいと思わせること」が目的の一つであると言われています。

最初に目にする書き出しによって、読者は文章全体の面白さ・有用さを判断します。ここで合格できなければ、先の文章は読んですらもらえず「駄文(駄作)」のレッテルを貼られてしまうのです。

最初に受けたイメージ=第一印象が最も強く残る(初頭効果)
後から第一印象を覆す情報を与えられても受け入れづらい(確証バイアス)

人間にはこういった特徴があります。

これは対人コミュニケーションだけでなく、文章においても同様なのです。

読者の共感を生む

書かれていることを読者が「自分ごと」として受け入れてくれなければ、積極的に文章を読み進めてもらえませんし、せっかくのドラマや情報も上滑りしてしまいます。

たとえ登場人物や作者の意見に同調できなくても、そこに書かれていることから

読者
自分だったらどう感じるだろう?
読者
自分ならこうするのに・・・

こんなふうに想像してもらえれば、読者は先を読み進めてくれます。

反発だって立派な共感のひとつ。好きの反対は無関心なんて言いますしね。

文章全体のテーマを象徴する

文章全体で語られること(テーマ)を、書き出しで端的に示すのは必須とも言えます。

PREP法のようにわかりやすく結論から書いてしまう方法もありますし、最後まで文章を読んではじめて書き出しの本当に意味に気づくようなやり方も、読者の心に強く残ります。

魅力的な文章の書き出しテクニック7選【小説から学ぶ】

魅力的な文章の書き出しテクニック7選【小説から学ぶ】

自己紹介(自分語り)から書き出す

吾輩は猫である。名前はまだ無い。

引用:夏目漱石『吾輩は猫である』

特徴的な人物、例えば波乱万丈の人生を歩んできていたり、変わった考え方を持っている人の場合、自己紹介や自分語りから書き出すことで、強烈な個性を演出することができます。

日常のふとしたエピソードなどを添えることで、読者の共感を得ることも可能です。

事件から書き出す

ある朝、グレゴール・ザムザが気がかりな夢から目ざめたとき、自分がベッドの上で一匹の巨大な毒虫に変ってしまっているのに気づいた。

引用:フランツ・カフカ『変身』

印象的なエピソードを語る場合、すでにそれが「起こってしまっている」状態から書き始めると、読者の興味をぐっと引きつけることができます。

上記の例のように、何かしらの異常な状態の描写でもいいですし、派手なアクションでスピード感を文章に持たせるなどの方法もあります。

会話・セリフから書き出す

「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね」

引用:村上春樹『風の歌を聴け』

誰から聞いた言葉や、自分で創作した言葉などを、印象的なセリフにして書くことで、文章全体のテーマを端的に語る方法です。

一般的に読者は地の文よりも会話文のほうが読みやすく感じる傾向があるので、エピソードを語るときも会話風に書くといいかもしれません。

名言・名フレーズを引用する

幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである。

引用:トルストイ『アンナ・カレーニナ』

この冒頭文は、様々な作品に引用されていますよね。

こういった多くの人が知っている名言や名フレーズを書き出しで引用することで、文章全体のテーマにつなげていくと読者の理解もスムーズです。

描写から書き出す

国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。

引用:川端康成『雪国』

印象的な風景や状況を、情感豊かな描写で表現することによって、読者がまるで登場人物になったかのような気分になります。

文章世界に引き込む上で、この効果は非常に有用です。

最後の一文と関連させる

今年は柿の豊年で山の秋が美しい。

引用:川端康成『掌の小説』

書き出しと終わりの文章を上手くつなげることで一体感が生まれ、作品が美しくまとまります。

上記の川端作品は、冒頭文と結びの一文が同じという非常に珍しい構成。他にも冒頭で提示した謎に最後の一文で答えを出したり、同じ対象の描写を変えることで主人公の変化や成長を表すといった手法があります。

違和感(引っかかり)や謎を作る

西の魔女が死んだ。四時間目の理科の授業が始まろうとしているときだった。

引用:梨木香歩『西の魔女が死んだ』

春が二階から落ちて来た。

引用:伊坂幸太郎『重力ピエロ』

不思議な言葉の組み合わせや、謎・矛盾など、読者が引っかかりを覚える何かを文章に入れておくと、その違和感の正体を突き止めるために読者は自然と先を読みたくなってしまいます。

このテクニックは、これまで紹介した6つの手法と組み合わせることで、さらに魅力的な書き出しを作ることができます。

【やってはいけない】NGな書き出しの例3つ

【やってはいけない】NGな書き出しの例3つ

ダラダラした説明文

設定に凝った物語など、どうしても読むための前提となる説明が多くなってしまう作品でも、事件や会話などをうまく使ってさりげなく描写で伝えるようにしましょう。

小説以外の文章でも、結論を最後まで言わないで退屈な説明や言い訳ばかり書いてある文章は最後まで読まれません。ご注意を。

平凡な日常描写

物語は主人公の日常に変化が生まれることから動き出す・・・といっても、冒頭からただの日常描写ばかり書き連ねてしまっては退屈の極みです。

日常の中にも、のちの事件を示唆するような出来事や会話を加えるなど、描写を工夫して読者を上手に惹きつけましょう。

意味不明すぎる文章

「謎」を提示することを意識しすぎるあまり、まったくわけがわからない意味不明な出来事や描写をいきなり放り込んでしまうのも危険です。

読者の想像力をまったく掻き立ててくれない文章は、どれだけ「ふしぎ」が詰まっていても駄文と言わざるをえません。

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おすすめの書き出し系サイト・本6選

書き出し小説大賞

先日、第209回の秀作が発表されたばかりの「書き出しだけ」の小説賞。

書き出し小説大募集 :: デイリーポータルZ

一般から募集した受賞作の数々は、たった一行で様々なドラマを見る人に想像させる秀逸なものばかり。作品がまとめられた本も出ています。


本の書き出し

様々な小説の書き出しが、ランダムに一覧表示されるユニークなサイト。

それぞれの書き出しをクリックすると、作品の説明やAmazonリンクが載っています。

本の書き出し

書き出しを考えったー

書き出しを考えったー

名前を入力するとランダムで書き出し文を自動生成してくれるWebアプリ。

診断メーカーには他にもいくつか書き出し系のアプリが投稿されているようです。

書き出しを考えったー

小説書き出しクイズ

書き出しの一文から作品を当てるクイズ。ネットで検索すると色々なサイトで実施されているもよう。

【みんなの知識 ちょっと便利帳】クイズ・雑学キング 小説の書き出し
文学作品の「書き出し」クイズ (全10問) : トイダス

書き出し「世界文学全集」

翻訳家・柴田元幸氏による世界文学73作品の「書き出し」を集めた本。

すべての作品が氏による「新訳」であるのもポイントです。

名作の書き出し~漱石から春樹まで~

15編の名作を書き出しから読み解くというテーマの本。

Kindle Unlimitedの会員なら無料で読めます(2021年3月時点)。

「書き出し」でテンプレ文章から卒業しよう!

「書き出し」でテンプレ文章から卒業しよう!

こうしてあらためて色々な作品を読んでみると、書き出しには書き手の個性が最もよく表れているように感じます。

小説に限らず、魅力的な文章を書く人は書き出しの時点で、その人の「味」のようなものが滲み出ていますよね。

文章構成フレームワークの有用性は疑うべくもありませんが、そればかりになってしまうと自分の文章の良さが出てきませんし、早晩、十把一絡げの中に埋もれてしまうでしょう。

読者
文章が上手くなりたい!

そんなふうに考えているけれど、どこから手をつけたらいいかわからない・・・という人は、まずは今回紹介したサイトや書籍を参考に「書き出し力」を鍛えることから始めてみてはいかがでしょうか。

読者
結局、本のパクリになっちゃうんじゃないの?

こういったことが心配な方は、とにかく多くの本に目を通し、無数の「書き出し」に触れることです。

1冊2冊読んだだけでは、その中の限られた書き出しの印象が強すぎてついつい似たような文章を書いてしまいがちですが、数が増えてくるとそういった危険性も少なくなり、自分なりの文章が見えてきます。ぜひお試しあれ。


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最後までご覧いただきありがとうございました。また別記事で会いましょう。

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