- macで小説を書くのに最適なテキストエディタは?
- WordやPagesは小説を書くのに向いていない?
- アウトラインプロセッサって小説執筆に使えるの?
今回は、こんな疑問にお答えしてみたいと思います。
結論から先に言ってしまうと、
- 最適な小説エディタは執筆スタイルによって異なる。
- WordやPagesも小説執筆向けの機能を搭載している。
- アウトラインプロセッサは使い方によっては通常のテキストエディタよりも役立つ。
といった感じです。
次項からは、具体的な使用シーンに合わせたおすすめの小説エディタを6つほど紹介します。
これらを上手に活用すれば、文章を書くハードルがぐっと下がるだけでなく、文章自体のクオリティアップにも繋がりますよ。
おすすめのmac小説エディタ6選
Ulysses
現在、僕がメインで使っている小説エディタがこちら。
シンプルな3カラム型のMarkdownエディタといったつくりですが、文章にメモが残せたり手動で文書ファイルの並べ替えができたりとライターにとってありがたい機能が充実しています。
ダークテーマやタイプライターモードなど、文章作成作業だけに集中できるための仕組みが整っているのも大きな特徴。真っ暗な画面に文字だけを見ながらタイピングしていく快感は、物書きなら誰もが味わってみたいのでは?
スマホアプリもしっかり完備。iCloudやDropboxを使ってスムーズにデータ連携が可能です。
文章の出力形式も非常にバリエーション豊富。テキストファイルやHTMLだけでなく、HTMLやePubにも対応しています。
以前は買い切り型でしたが、現在はサブスクリプションモデルへと移行しています。
『Setapp』という複数のMacアプリをまとめて利用できるサブスクサービスを使えば、XMindやCloudOutlinerといった便利ツールと一緒に超お得な料金で利用できるため、僕はこちらを使っています。
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Scrivener3
長文を書くために必要な機能がほぼすべて備わった統合型ワープロソフトの代表格。
物語のアイデアをブレストできるコルクボード機能が非常に便利。ボードはそのままアウトラインのノードになるので、アイデア出しからプロット構成までをシームレスに繋ぐことができます。
原稿用のフォルダ以外にも、キャラクター設定などをまとめておくフォルダや、Webスクラップやスキャン画像といった資料をまとめておくフォルダも作っておけるため、執筆中の確認作業も非常にスムーズに行なえます。
Scrivener3からは日本語の縦書き表示にも対応。統合環境としてさらに強力なツールになりました。
僕個人は、メインエディタにシンプルなUlyssesを使っているのですが、設定が細かな物語や、膨大な資料を必要とする文章を書く際はこちらを使うようにしています。要は使い分けですね。
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iA Writer
Ulyssesを使う前は、こちらをメインに使用していました。
機能を必要最小限に留めつつ、Markdownやダーク&集中モード、クロスプラットフォーム(Mac/Win/iPhone/Android)対応など、欲しいものはしっかりと備えている優れもの。作成されるデータがtxtファイルなので、他のエディタと連携しやすいのも魅力ですね。
書く作業に集中したい方は、このくらいシンプルなエディタもおすすめですよ。
Hagoromo
macユーザーならお馴染みのテキストエディタ『Jedit』の開発元による日本語縦書きエディタがこちら。
独自のテキストエンジンは非常に軽快で、縦書きエディタとしては珍しくアウトライン機能も搭載。メインエディタとしても十分活躍できるポテンシャルを持っています。
僕の場合は、Ulyssesで作成した文章をコピペして縦書きで読みながら推敲する、といった感じで活用しています。
特に小説は、縦書きと横書きで文章の雰囲気が変わる肌感覚があるので、両方のエディタを使える環境にしておくのがおすすめです。
無料で使えるアプリを探している方は、iText Expressを薦めておきます。
egword Universal2
作家の村上春樹氏も使っているという、知る人ぞ知る日本語ワープロソフトの老舗アプリ。
長らく更新が止まっていたのですが、根強いファンの声に応え、辞書アプリなどで知られる物書堂がソースコードを取得し、満を持して復活。使い勝手はそのままに現代の環境に合わせて最適化されています。
原稿用紙モードを備えた縦書き機能や、細かなレイアウトのカスタマイズなど、国産エディタらしい日本語表示へのきめ細やかな気配りは、使っているだけで美しい文章が書けそうな気にさせてくれます。
stone
「日本語を書くこと」だけに特化した比較的新参のテキストエディタ。
高性能なエディタに慣れている人にとっては、少々物足りなく感じてしまうほど、ごくごくシンプルな機能しかありませんが、フォントや行間・文字数のひとつひとつにしっかりとこだわりたい人は、使ってみて思わずニヤリとしてしまうこと間違いなし。
お気に入りのノートを開き、とっておきのペンを手に持ち、思うがままに文章を書き綴っていく……。
そんなアナログな感覚を思い起こさせてくれる、不思議なアプリです。
汎用テキストエディタで小説を執筆するコツ
Microsoft Word
ワープロソフトの定番中の定番であるWordですが、小説エディタとして使うには不要な機能が多すぎるのが難点です。動作も重いですしね。
反面、推敲ツールとしてはなかなか優秀で、コメントの書き込みや修正履歴の一覧、差分機能など、1つの文章ファイルを複数人で作成・推敲するケースなどでは非常に役立ちます。
入稿の際も、商業・同人いずれもテンプレートがWordファイルであることが多いので、紙の本を作りたい方は基本的な操作は慣れておいたほうがいいですね。
Pages
「Apple版のWord」と形容されることもあるワープロソフトですが、実は最近のアップデートで日本語の縦書きに対応したのをご存じですか?
アウトライン的に使える「目次ビュー」も搭載され、小説エディタとしてもなかなかの使い勝手に進化を遂げたこのアプリ。
もちろん専用のエディタに比べれば、不足だったり冗長だったり感じることも多いのですが、macを買ってすぐに使える無料ソフトということで、気軽に小説執筆を始めてみたい方はここからスタートしてみては?
mi
macを使い慣れた方が、標準のテキストエディタとして使っていることが多いこちらのアプリ。
縦書きモードや擬似的な原稿用紙レイアウトも搭載しており、小説エディタとしても活用可能。正規表現を使った検索・置換も可能なので、簡単な校正にも役立ちます。
使い慣れたエディタでいつでも文章を書きたい、という方はこういった汎用エディタですべてカバーしてしまうのも一つの手かもしれませんね。
アウトラインプロセッサで小説はどこまで書ける?
一般的には長文には不向きとされるアウトラインプロセッサですが、工夫すれば小説エディタとしても十分に活用することができます。
↓では、定番アウトラインプロセッサのWorkflowyで実際に小説を執筆した人が使用したテンプレートが公開されています。
Workflowy for Outlining & Brainstorming Short Stories – WorkFlowy
三幕構成やビートシートのようなフレームワークに沿って物語を考えていくなら、アウトラインプロセッサのほうが使いやすいと言えるかもしれませんね。
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まとめ:どの小説エディタを選ぶ?
この記事のまとめシンプルなMarkdownエディタで小説を書きたい・・・Ulysses
細かな設定や資料もまとめて管理したいなら・・・Scrivener
縦書きで小説を書きたい・・・Hagoromo
文豪気分で小説を執筆したい・・・egword Universal2
書くことだけに集中したい・・・stone
使い分けとしては、こんな感じでしょうか。
僕の場合は、
- アウトラインプロセッサ(Dynalist)でアイデア出しから簡単なプロット作成までを行う
- Ulyssesで一通りの原稿を書き上げる
- Hagoromoで縦書きレイアウトを確認しながら推敲する
といった流れで小説執筆を行っています。
作業内容によって使うエディタを切り替えることによって、新しいアイデアが浮かんできたり、見落としていた間違いに気づくなどのメリットもあります。
何より、お気に入りのエディタのほうが良い文章が書ける気がしますよね。(気分ってけっこう大事)
みなさんも色々なアプリを実際に触って確かめながら、自分にぴったり合った小説エディタを探し出してください。