- 推敲を何度か繰り返していると、以前の文章のほうが良かったのでは……と思うことがある。
- 修正した文章と元の文章を比較して、両者の違いや差を分析したい!
- 2つのテキストファイルの文章の「差分」を抽出してくれるツールはないの?
こんな悩みに応える記事を書いてみました。
推敲というのものは、基本的に繰り返すほど文章がブラッシュアップされより良いものになっていくものですが、時には例外もあります。
文章をあれこれといじくり回していると、知らずしらずのうちに元の文章の良さが消えてしまっていた……ということがしばしばあるんですよねぇ。
そういったとき、Wordや多機能エディタなら文章の履歴を都度残して、変更箇所を表示したりする機能がついていますが、普段プレーンテキストファイルで文章を管理している人などは、更新のたびに新しく作成したファイルと元のファイルを開いて、目視で修正箇所を探さないといけないのが悩みどころです。
そんなときに役立つのが、いわゆる「テキスト差分表示ツール」と呼ばれる文章比較専用のソフトです。
今回は、そんなテキスト差分表示ツールの中でも無料で使えるおすすめのソフトをOSごとにいくつか紹介します。
これらのツールを上手に使えば、推敲の手間や効率がぐっとアップしますよ。
目次
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おすすめの文章比較ツール(フリーソフト・Windows)
WinMerge
指定した2つのテキストファイルの差分を色分けして表示してくれる差分ツール。
修正した箇所と削除した箇所が別の色で表示されるのも、わかりやすくていいですね。
2つのファイルを融合する「マージ」機能も搭載。プラグインを使えばPDFやExcelファイルの比較もできます。
テキスト差分表示ツール
こちらはWordファイルやWeページの差分表示にも対応しているツール。
比較結果をCSV形式などで保存することも可能です。
Rekisa
こちらは2つのファイルだけではなく、複数のファイルの差分をまとめて表示できるツール。
プレーンテキストで履歴をいくつも辿れるのは非常に便利ですね。
おすすめの文章比較ツール(フリーソフト・Mac)
FileMerge(Xcode)
Apple純正のファイル差分ツールがこちら。無料の開発ツール『Xcode』に付属しています。
ターミナルからも起動できるので、Macに使い慣れた人はまずはこのツールから試してみるのがおすすめです。
CompareMerge
WinMergeと似た操作感で使えるツールがこちら。HTML形式でレポート保存もできます。
AppStore版は無料ですが、Softforge版なら無料で手に入るもよう。
CompareMerge(Mac App Store)
CompareMerge(SourceForge.net)
TextWrangler
OSのバージョンによって↑のCompareMergeが上手く動かないという方はこのツールがおすすめ。
ただし、こちらも次期OS・Catalinaには対応しないそうなので、引き続き使いたい方は同様の機能を含んだ多機能エディタ『BBEdit』を使いましょう。
おすすめの文章比較ツール(Webアプリ)
文章比較ツール
2つのフォームに入力した文章の差分を表示してくれるシンプルなブラウザから利用できる比較ツール。
修正箇所と削除部分もしっかり分けて表示してくれます。
Diff(テキスト比較ツール)
こちらはタブや改行などの差分も確認できるWebアプリ。
比較結果をWordファイルでダウンロードすることもできます。
difff《デュフフ》
差分のついでに文字数・単語数もカウントしてくれるツール。
比較結果をサーバーに保存し、パスワード付きのURLで公開(3日で削除)することも可能です。
Diffchecker
こちらは海外製ですが、日本語文章も対応しているもよう。
画像やPDFの差分比較ツールもあったりします。
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Wordの文章比較機能の使い方
実は、Microsoft Wordには、1つのファイル内で文章の変更履歴を表示するだけでなく、2つのWordファイルの文章を比較する機能も付いています。
修正結果は通常の校閲機能のように変更箇所が表示され、そのままファイル保存もできます。
PDFの文章を比較する方法
PDFで保存された文章の差分を比較する方法は3つあります。
- Adobe Acrobatの差分表示機能や『DiffPDF』のような専用のPDF差分表示ツールを使う
- ↑で紹介したWinMerge(プラグイン)やDiffcheckerを利用する
- PDFからテキストをコピーして差分を比較する
有料ソフトでもかまわない方は、1の方法が最も簡単かつ確実です。
2の方法、特にWinMergeのPDF対応プラグインはなかなか優秀なので、Windowsユーザーはこちらもおすすめです。
3は少し手間がかかりますが、↑で紹介したどのツールでも使えるので、あくまで無料で済ませたい方は試してみては?
文章の変更履歴はこまめに保存しよう!
面倒くさがりな方など、ついつい同じファイルをどんどん上書き保存して済ませてしまいがちですが、なるべくなら変更のたびに別のファイルで保存するのをおすすめします。
なぜならはじめに説明したように、修正を繰り返す中で元の文章の良さが台無しになってしまったり、本筋が見えなくなってしまったりすることが起こったりして、修正前の文章を確認したり戻ったりといったことが行いたくなるシーンがあるからです。
また、自分の修正履歴を再確認することで、文章がどのように良くなった(あるいは悪くなった)のかを何度も確認することは、文章力をアップさせるトレーニングとしても非常に有効です。
できれば修正作業のたびに、少なくとも毎日の作業を終えたらその日の成果は別ファイルとして保存するようにしましょう。
ファイル管理が面倒で……という方は、履歴保存機能が付いた専用のエディタを使うのがおすすめですよ。