閉じるべき漢字・閉じたほうがいい漢字の見分け方【ひらがな→漢字】

2020年6月12日

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  • 漢字とひらがなの使い分けに迷うことが多い……。
  • ひらがなに「開く」べき漢字だけでなく、あえて「閉じる」ほうがいい漢字も知りたい!
  • 漢字で書いたほうがいい言葉や基準、具体的な修正方法を教えて!

こういった悩み・疑問に答える記事を書いてみました。

前回の記事では、漢字からひらがなに「開く」ほうがいい言葉の具体的な例や修正方法を紹介しましたが、今回は逆に、あえて漢字で書くべき「閉じる」言葉について解説します。

【保存版】漢字・ひらがな使い分けルール200+ツール3選【超便利】

  • 閉じるべき(閉じたほうがいい)漢字の法則&具体例
  • 効率的にひらがな→漢字に修正する手順

内容はこんな感じ。

ここで紹介するルールは、漢字→ひらがなと同様『記者ハンドブック』をベースに僕がカスタマイズを加えたものになります。

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前回の記事とあわせて読めば、文章作成のたびに漢字/ひらがなの使い分けに悩んでいた人も、ほぼ機械的(自動的)に修正作業が行えるようになります。

結果として、執筆スピードの大幅な向上や、より読みやすい文章が書けるようになるなど、大きなメリットが得られるはず。ぜひご一読あれ。

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閉じるべき漢字(閉じたほうがいい漢字)のルール

校正作業において、ひらがなから漢字に「閉じる」修正を加えるケースはあまりありません。

パソコン入力の弊害による「漢字の使いすぎ」のほうがずっと多いですからね。

とはいえ、まったくのゼロというわけではありませんし、修正作業の際に閉じるべき漢字まで開いてしまうなんてケースも起こりえますので、しっかりとチェックする必要があります。

僕が使っている「閉じる」漢字のルールは、以下の6つです。

  • 補助動詞でない動詞は閉じる
  • 複合動詞は後ろだけ開く
  • 具体的なものを示す実質名詞は閉じる
  • 接続詞では開く漢字も、動詞で使う際は閉じる
  • 同じ語句が連続する場合は前の漢字だけ閉じる
  • 意味を明確にする漢字は閉じる

それぞれ具体的な漢字の例とともに解説しますね。

補助動詞でない動詞は閉じる

ほかの動詞に後続する「補助動詞」として使う際はひらがなに開く言葉も、単独で意味を持つ通常動詞として使う場合は、漢字に閉じると意味が伝わりやすくなります。

  • 〜してください/〜を下さい
  • 〜していただく/〜を頂く
  • 〜してあげる/〜を上げる
  • 〜していく/〜へ行く

複合動詞は後ろだけ開く

二つ以上の動詞を組み合わせてひとつの動詞としての働きを持つ「複合動詞」は、前の動詞を閉じ、後ろの動詞を開くようにしましょう。

  • ×はしりつづける/走り続ける ◯走りつづける
  • ×ながめまわす/眺め回す ◯眺めまわす

具体的なものを示す実質名詞は閉じる

修飾語と使用して意味をつくる「形式名詞」では開く言葉も、それ自体が具体的なものを指す「実質名詞」として使用する際は、漢字に閉じたほうがいいですね。

  • 〜すること/事が発生する
  • 〜するとき/時が経つ
  • 〜大切なもの/物が多い
  • 〜のほうがいい/あなたの方へ
  • 〜するうえで/上へ行く

接続詞では開く漢字も、動詞で使う際は閉じる

接続詞として使う際はひらがなに、動詞利用の場合は漢字で書くという言葉もあります。

  • 併せる/あわせて
  • 従う/したがって
  • 及ぼす/および

同じ語句が連続する場合は前の漢字だけ閉じる

同じ名刺をつなげて副詞的に使用する際は、前を閉じ、後を開くと読みやすくなります。

  • ×ひとつひとつ/一つ一つ ◯一つひとつ
  • ×ひとりひとり/一人一人 ◯一人ひとり

意味を明確にする漢字は閉じる

同じ読みで複数の意味を持つ単語や、ひらがなだと意味が伝わりにくい言葉は漢字で書くべきですね。

  • 初めに/始める
  • 明らか
  • 新た
  • 主な/主に
  • 関わる
  • する際
  • 沿って
  • 基に

ひらがな→漢字のチェック&修正を効率的に行う方法

基本的なルールがわかったところで、具体的にひらがなを漢字に「閉じる」ための効率的な手順について解説していきます。

  1. 文賢の「漢字ルール」で一発チェック
  2. 文賢の「フリールール」で目視チェック
  3. IMEに変換のクセを記憶させる

フローとしてはこんな感じ。それぞれ簡単に説明しますね。

文賢の「漢字ルール」で一発チェック

文章校正ツールの『文賢』には「ひらがな→漢字」と「漢字→ひらがな」それぞれに別のルールを設定できますので、前項で紹介したルールを一覧表にしてあらかじめツールに取り込んでおきます。

文賢:漢字ルールの設定

インポートの手順は前回の記事でも解説していますので、詳しくはそちらをご覧ください。

僕の場合、前項の6ルールのうち機械的に変換できる下2つのみ、こちらに登録しています。

「文賢は使えない」評判は本当? 損をしない『文賢』の使い方7選

文賢の「フリールール」で目視チェック

文脈によって開くべきか閉じるべきかの判断が異なる単語については、「フリールール」というタブに登録しています。

文賢:フリールールの設定

ルール登録の際には、詳しい指摘内容やメモなども書けるので、そちらに判断基準を記載しておく感じですね。

※ユーザー辞書から切り離した「自分ルール」の欄に設定してもOKです。

あとは指摘にあわせて一つひとつ目視でチェックする形になります。

IMEに変換のクセを記憶させる

日本語入力システム(IME)には、利用者の漢字変換のクセを学習し、頻度の高い変換を優先してくれる機能があります。

この機能を活用して、最終的には修正の手間を限りなくゼロに近づけていくのが目標です。

↑の修正作業の際も、IMEに学習させることを意識しながら入力していくのがコツですね。

まとめ

今回のおさらいです。

まずは漢字に閉じるべき言葉のルールから、

  • 補助動詞でない動詞は閉じる
  • 複合動詞は後ろだけ開く
  • 具体的なものを示す実質名詞は閉じる
  • 接続詞では開く漢字も、動詞で使う際は閉じる
  • 同じ語句が連続する場合は前の漢字だけ閉じる
  • 意味を明確にする漢字は閉じる

具体的な修正手順は以下、

  1. 文賢の「漢字ルール」で一発チェック
  2. 文賢の「フリールール」で目視チェック
  3. IMEに変換のクセを記憶させる

文章作成のコツとして、執筆の際は漢字の開き/閉じやタイプミス、表現の稚拙さなどはあまり意識せず、とにかく最後まで文章を書き終えることを優先して書いていく、というものがあります。

ひとまず文章が完成しさえすれば、スケジュール的にも安心できますし、校正(推敲)作業を丸ごと後回しにすることで、かえってしっかりとした修正作業が行えるようになるメリットもあります。

書く前の準備や構成作業、書き終えた後の校正(推敲)作業はフレームワークやツールを使ってある程度効率化できますが、原稿を書く作業そのものは結局のところ書き手次第。

逆を言えば、最も物書きの醍醐味が味わえる瞬間ともいえますので、あれこれ悩んだりせず、思うぞんぶん頭に思い描く言葉を好きなように書き綴ってみてくださいね。

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