- 文章を書いていると、ついついカタカナ語を多用してしまう。
- ひらがな/カタカナのどちらで書いたほうがいいかわかりにくい言葉も多くて悩む・・・。
- 具体的な使い分けのルールやおすすめの変換ツール(テクニック)を教えて!
こういった悩み・疑問に答える記事を書いてみました。
前回までの2記事で紹介したように、漢字とひらがな(閉じ/開き)のバランスに気を付けている人は多いかと思います。
【保存版】漢字・ひらがな使い分けルール200+ツール3選【超便利】
閉じるべき漢字・閉じたほうがいい漢字の見分け方【ひらがな→漢字】
そういった人も意外と見落としがちなのが、ひらがな/カタカナの使用率です。
文化庁が平成14年に調査したところによると、日本人のいわゆる「カタカナ語」の認知率・理解率は、僕らが思っている以上に低いそうです。
ついつい使ってしまう「コンテンツ」や「モチベーション」といった言葉も、認知率は5割程度。理解率にいたっては3割ほどといった感じです。
上記の統計は別にしても、カタカナが多い文章は非常に読みづらいですよね。
そこで今回は、ひらがな/カタカナの使い分けのルールや最適な割合、修正(変換)作業に役立つツールやテクニックなどをまとめてみました。
カタカナを多用しがちだったり、ひらがな/カタカナの使い分けに迷っていた人も、この記事を読めば理解されやすい(読みやすい)文章が書けるようになるはず。ぜひご一読あれ。
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カタカナ(ひらがな)の成り立ち
そもそも、なぜ日本語には「ひらがな」と「カタカナ」の二種類があるのでしょうか?
片仮名(かたかな)は、日本語の表記に用いられる音節文字。仮名の一種で、借字を起源として成立した。
平安時代には万葉仮名から平仮名・片仮名へと変化していった。平仮名は万葉仮名の草書体化が進められ、独立した字体と化したもの、片仮名は万葉仮名の一部ないし全部を用い、音を表す訓点・記号として生まれたものと言われている。
どちらも万葉仮名(借字)から派生した文字ですが、以下のような違いがあるというわけですね。
- ひらがな:万葉仮名を草書体にくずしたもの(安→あ、以→い)
- カタカナ:万葉仮名の一部を切り出したもの(阿→ア、伊→イ)
※ひらがなとカタカナで字が似ているものは、由来する漢字が同じ。
カタカナで書く言葉のルール3つ
昔は役割・用法も異なっていたひらがなとカタカナですが、現代ではその境界線が非常に曖昧なものとなっています。
ここでは、僕がひらがな/カタカナの使い分けを考える際に用いている基準を3つ紹介します。
外来語・和製英語はカタカナで書く
これはほとんどの人が意識せずにやっていると思います。
逆にこれらの単語をわざとひらがなや漢字(当て字)で書くことで、別の強調効果を狙うといった使い方もできます。
擬音語・擬声語はカタカナで書く
「ゴロゴロ」「バタン」といった擬音語や「ワンワン」「ゲラゲラ」のような擬声語は、カタカナで書くのが一般的です。
擬態語もカタカナで書くケースが多いようですが、個人的には「さらっと」「つるつる」といった感じでひらがなにするのが好みですね。
また、会話文などでは擬音語・擬声語もひらがなで書くことで、親しみやすさや柔らかさを出すことも可能です。
意図的にあえてカタカナにする
特定のキーワードを強調したいときや印象を変えたいとき、文章のリズムを変化させたいときなどに、あえて開いた漢字をカタカナ表記にするケースもあります。
そんな絶妙なバランス調整にカタカナは非常に便利ですよね。
ひらがな/カタカナの使い分けに悩む言葉
単語によってはひらがな・カタカナ(・漢字)のどれで書いても意味が変わらない微妙なものがあります。
ここではその一例を紹介。
可愛い/かわいい/カワイイ
個人的にはひらがなで書いたほうがより可愛らしさが出る印象ですが、強調したいときや台詞調にしたいとき、読みづらいときなどは別の表記にしてもいいかと。
綺麗/きれい/キレイ
漢字で書くと「見た目の美しさ」を表し、カタカナで書くと「清潔感」をイメージさせます。
おすすめ/オススメ
カタカナのほうがより強くすすめられる印象になるので、あまり多用すると押しつけがましくなってしまいます。ご注意を。
駄目/だめ/ダメ
カタカナで書くと「NG感」が強い印象。より堅い場面では漢字を、台詞などではひらがなを用いるといいかと。
※似たような用法の言葉に「ムダ(無駄/むだ)」があります。
馬鹿/ばか/バカ
あえてひらがなにして相手を傷つけないようにする手もあります。
車/くるま/クルマ
カタカナで書くほうがストレートに意味が伝わりやすいですが、他にカタカナが多いときは漢字のほうがいいかも。
※似た用法の言葉に「メガネ(眼鏡/めがね)」や「マンガ(漫画/まんが)」などがあります。
カタカナの最適な割合『6-3-1の法則』
上記で紹介したルールは、あくまで考え方のベースになるものであり、これが絶対というわけではありません。
実際は前後の文脈や全体のバランスを考えて、文章の目的や利用シーンに合った用法を選ぶ必要があります。
一般的に、読みやすいひらがな/漢字/カタカナの割合は、「6:3:1」が目安と言われています。
こういった基準をもとに、最適なバランスをいろいろと模索してみましょう。
ひらがな/カタカナの修正(変換)に役立つ便利ツール
文賢
漢字/ひらがなの記事でも紹介した文章校正ツールです。
ユーザー辞書の「カタカナ」欄にルールを登録しておけば、自動で文章をハイライト表示してくれます。
「文賢は使えない」評判は本当? 損をしない『文賢』の使い方7選
ひらがな・カタカナ変換ツール
フォームに貼り付けた文章中のひらがなを、自動ですべてカタカナに変換してくれるツール(※逆も可能)。
すべてカタカナ・ひらがなに統一するケースは少ないかもしれませんが、ファンタジー小説を書くときなどに便利です。
漢字カナ変換・rubyタグ(ruby要素)マークアップ
↑と似たようなツールですが、こちらはルビをふることもできます。
形態素解析もしてくれるので、ちょっとした文章分析にも使えます。
漢字カナ変換・rubyタグ(ruby要素)マークアップ【LSツール】WEB制作・運用・サポートの道具箱
Word(ワード)でカタカナだけをハイライト表示する方法
Wordの「ワイルドカード(正規表現)」を使えば、文章中のカタカナだけをハイライト表示にしたり、半角・ひらがなに一括置換できます。
上記の設定後、検索条件に合わせて以下の正規表現を入力。
全角カタカナのみ:[ァ-ヾ]
半角カタカナのみ:[ヲ-゚]
検索先に「メイン文書」を選べば、カタカナのみハイライト表示されます。
さらに一括置換を行いたい場合は、ハイライト表示された状態で「文字種の変換」を選べばOKです。
僕は普段あまりWordを使っておらず、置換も行わないので、CotEditorを使ってシンプルにハイライト表示だけさせています。
まとめ
今回の記事のおさらいです。
まずはカタカナで書く言葉のルールから。
- 外来語・和製英語はカタカナで書く
- 擬音語・擬声語はカタカナで書く
- 意図的にあえてカタカナにする
さらに以下のような曖昧な単語は、利用ケースに合わせて最適なものを選びます。
- 可愛い/かわいい/カワイイ
- 綺麗/きれい/キレイ
- おすすめ/オススメ
- 駄目/だめ/ダメ
- 無駄/むだ/ムダ
- 馬鹿/ばか/バカ
- 車/くるま/クルマ
- 眼鏡/めがね/メガネ
- 漫画/まんが/マンガ
漢字ほど堅苦しくなく、ひらがなほど幼い印象にならないカタカナはついつい多用しがちですが、使いすぎるとせっかくの効果が半減してしまいますし、文章全体が安っぽくなる恐れもあります。
便利で効果的なテクニックだからこそ、ここぞというときにピンポイントで使うのがおすすめですね。
漢字・ひらがな・カタカナの使い分け方には、その人の性格やスキルなどが如実にあらわれますので、みなさんもぜひ自分なりのルールをつくってみてください。
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