- 長文を読むのが苦手。
- 何度読んでも文章が頭に入ってこない。
- 内容がしっかりと理解できないので要約や引用がうまくできない。
こういった人は、よく「読解力が低い」と言われていますよね。
今回はそんなお悩みをお持ちのあなたのために、大人になってから読解力をあらためて鍛え直すためのコツやおすすめの読解力トレーニングアプリなどをまとめてみたいと思います。
さらっと一度読んだだけで、内容を即座に理解できる人って憧れますよねぇ・・・。
子供の読解力低下が取り沙汰されて久しい昨今ですが、子供だけでなく僕ら大人も知らずしらずのうちに読解力が低下してしまっているのではないかと、最近つくづく感じます。
昔から国語が苦手だった人ばかりでなく、最近になって文章を読むのが下手になった・・・なんて人もいるのでは?
読解力が低いと仕事や勉強の生産性が著しく低下するだけでなく、時には不要な誤解や揉め事の原因となってしまうこともあります。
ライターなどの文章の専門家だけでなく、すべての社会人にとって「読解力」は必須スキルと言えます。ぜひこの記事を最後まで読んで、少しでも読解力アップに役立ててくださいね。
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読解力とは?
「読解力」から「PISA型読解力」へ。
文部科学省の「読解力」向上に関する指導資料[参考資料][読解力向上プログラム]によると、
自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に社会に参加するために、書かれたテキストを理解し、利用し、熟考する能力
これが読解力の定義とのこと。(※なんだかよくわからない説明なのは、きっとこちらの読解力のせいではないはず)
詳しく言うと、以下の4つの能力になるそうです。
- テキストに書かれた「情報の取り出し」だけはなく、「理解・評価」(解釈・熟考)も含んでいること。
- テキストを単に「読む」だけではなく、テキストを利用したり、テキストに基づいて自分の意見を論じたりするなどの「活用」も含んでいること。
- テキストの「内容」だけではなく、構造・形式や表現法も、評価すべき対象となること。
- テキストには、文学的文章や説明的文章などの「連続型テキスト」だけでなく、図、グラフ、表などの「非連続型テキスト」を含んでいること。
つまり、現代で求められている読解力とは、テキストを読み解く能力だけでなく、それに基づいて自分の意見を論じるスキルや、文章以外の情報(図やグラフなど)を読み解く能力も含まれているわけですね。
読解力がない人の特徴4つ
文章への苦手意識が強い
そもそも「読む」という行為自体に苦手意識をもっていると、本人のポテンシャルにかかわらず読解の大きな阻害要因となってしまいます。
子供の頃から読書の習慣があまりなかった人や、国語の授業でいきなり難解な文章にぶち当たって挫折してしまった人など、原因はいろいろとありますが、これを解消するには、とにかく文章に触れる機会を増やして慣れるしかありません。
特定のキーワードや文章だけを切り出してしまう
現代人に強い傾向がこちら。
文章の前後関係や行間などを汲み取らず、一部のキーワードや文だけを切り取り、揚げ足を取ったり極端な解釈をしてしまう・・・みなさんも心当たりがあるのでは?
元々、人間は自分に都合の良い情報ばかり受け取る傾向があるので、こうなってしまうのは仕方のないことではあるのですが、いらぬトラブルにもなりかねませんので、しっかりと意識して文意を読み解くよう心がけたいものですね。
答えをすぐに求める
これも現代人特有の問題と言えそうです。
TwitterやLINEなどの普及により、非常に速度の早いメッセージのやり取り(即リプ)が常識のようになってきた弊害でしょうか。近頃はなんでもすぐに結論や答えを求める傾向が、とみに強いように感じます。
文章を読むときも、同じ文章をあらためて読み返さないばかりか、文章を最後まですら読まず、内容を理解した気になっている人のなんと多いことか(自戒を込めて)。
文章力が低い
読解力が低い人は、書くことも苦手な傾向があるようです。
文章構成の「型」がしっかりと身についていないため、論理的に文章をまとめられないだけでなく、書かれた文章の構造が把握できず、なかなか理解が進まないというわけですね。
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【大人向け】文章を書くのが苦手な理由3選【克服方法も解説】
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文章が超わかりやすくなる「PREP法」とは?【使い方・トレーニング解説】
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読解力テストを試してみよう!
自分の読解力がどの程度かわからない、という人は、読解力テストを受けてみるのがおすすめです。
↑は語彙力だけでなく、様々な理解力を含めた総合的な言語能力を測定することができる検定です。こちらで例題を無料で見ることができますので、まずはこれにチャレンジしてみましょう。
ほかにも↓のサイトで読解力を試すことができます。
第3部 読解部門 | サンプル問題 | BJTビジネス日本語能力テスト
» 論理文章能力検定レベル8 一般財団法人基礎力財団
読解力テスト|国語の中学受験対策なら家庭教師の「リソー教育システム」
読解力を鍛える(向上させる)4つのコツ
熟読・精読をする
読書の習慣があるかないかで、読解力に大きな差が生まれることは周知の通りです。
しかし、この場合の読書は漠然とページを捲ったり、飛ばし読みをするような読み方では効果がありません。というか逆効果です。
よほどの読書の達人でない限り、一度本を読んだだけですべて(作者の思い含め)を理解することは不可能です。
一つ一つの文を噛みしめるように熟読し、何度も読み返しながら新たな発見を繰り返していく。
そういった積み重ねによってのみ、真の読解力を身につけることができます。
時にはあえて難解な専門書なども手に取り、辞書を片手に必死に読み解くのも非常に有効です。
目的のない読書というのもおすすめ。何かの目的があって本を開くと、どうしても「結論ありき」の情報ばかり集めてしまいがちですからね。
要約する
文章をしっかりと理解できているかを確かめるには、読むだけでなく内容を自分なりに要約してまとめるということも大切です。
あらかじめ文字数を決め、様々な文量で要約文を書いてみる。
ブログにブックレビューなどの形でアウトプットするのも効果的です。
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【要約難しい】文章要約のコツ5+簡単な書き方【本・物語・小論文】
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読書マップを作成する
要約や読書ノート(メモ)もいいですが、より詳細な「読書マップ」を作成するのもおすすめです。
マインドマップアプリなどを使って、文章をグラフィカルにまとめ直すことで、より感覚的に内容をとらえることが可能です。
小説を読んでいるときに具体的な映像が頭に思い浮かぶタイプの人は、このやり方で読解力をさらに深めることができます。
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無料あり:Macのマインドマップアプリおすすめ5選【28種比較】
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伝言ゲームをする
子供の頃、伝言ゲームで遊んだことがある方は多いかと思いますが、あれもなかなか馬鹿にできません。
なぜなら伝言ゲームには、
- 聞いた内容を素早く、正確に理解する能力
- 自分の言葉で簡潔に伝える能力
という、読解力に不可欠な2つのスキルが求められるからです。
↑のブックレビューもそうですが、読んだ本や観た映画などの面白さを友人などに伝えるのも、非常に良いトレーニングになります。
ネタバレにならないように上手に魅力を伝えるには、高い理解力と表現力が必要ですからね。
【おすすめ】読解力がトレーニングできる無料アプリ5選
国語力クイズ 4500問
漢字や慣用句など様々な言葉のクイズが出題されるアプリ。
読解力を高めるにはある程度の語彙力は欠かせませんので、こういったアプリで少しずつストックを増やしていきましょう。
読書力サポートアプリ
読書が苦手な小学生をのために、作品の朗読聞き取りや音読練習などができるアプリ。
子供と一緒に試しながら、こっそり国語の復習をしてみては?
Dynalist
文章の要約をまとめるには、箇条書きがしやすく並べ替えも容易なアウトラインプロセッサが便利です。
WorkFlowy でもいいのですが、読んだ本のまとめを保存して管理したい人は、フォルダ分けができるDynalistのほうがおすすめです。
XMind
読書ノートを視覚的にまとめるにはマインドマップアプリがおすすめ。
XMindは項目の階層表示もできるので、アウトラインプロセッサのように使うこともできます。
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【無料マインドマップ】XMindの使い方【アイデア・情報整理に最適】
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Elevate
英文読解力を鍛えるならこちらのアプリがおすすめ。
英語版の脳トレといった感じのつくりになっており、毎日コツコツと英語の読解力や単語力がトレーニングできます。
読解力向上に役立つおすすめ本5選
わかったつもり~読解力がつかない本当の原因~
読解力の大切さを再認識できる本。学習のきっかけづくりにおすすめ。
Amazonプライム会員は無料で読むことができます(※2021年7月時点)。
大人の読解力を鍛える
単なる文章理解を超えた、社会人に必須のコミュニケーションスキルとして読解力の重要さを説いた本。
具体的な文章例があるので非常にわかりやすいですね。
論理的に読む技術
文章を論理的に読むための考え方やテクニックが解説された本。
「書くように読む」をテーマにしており、文章力も自然とあわせて身につけることができます。
できる子は本をこう読んでいる
子供の読解力を伸ばすための読書法を、豊富なブックリスト付きでまとめた本。
大人にも参考になる知識なので、子供の見本となるように親もしっかりと読解力を身につけましょう。
AI vs. 教科書が読めない子どもたち
若者の読解力低下とAIという現代の2大テーマを合わせて論じた非常に興味深い本。
『わかったつもり』がいまそこにある危機について解説されている本だとすると、この本はこれから起こりうる危機に言及したものといえますね。
僕らライターにも、原因が・・・?
現代人の読解力低下は、僕ら文章を書く側にも要因があるのかもしれません。
わかりやすい文章、おもしろい文章を追求し続けた結果、読者から「読み解く」という作業を取り上げてしまった。そんな気がするんですよね。
迂遠でまわりくどい言い回しや、わざと難解な言葉遣いを用いることで読者を煙に巻いてくる文章に対し、己の読解力を駆使して一つ一つその意図を読み解いていく。
そんな読書本来の楽しみすら、現代の書き手は読者から奪ってしまったのでは・・・?
結論を先に述べるPREP法のような手法も、正しく使えば非常に効果的ではあるのですが、ともすればこれも「答えを急ぐ」せっかちな読者を生み出す原因になってしまっているのかもしれません。
わかりやすさばかりを求めるのではなく、時には難解な文章にも触れていないと、僕らはもっとダメになっていくのではないでしょうか。
『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』によると、AIが唯一苦手とする分野こそが「読解力」なのだとか。
そんな人間特有の武器さえもナマクラと化してしまっている僕ら現代人。このままだといよいよAIに取って代わられてしまうのかもしれません。お早めの対策・自衛をば。