
- 「おっ」となるような良い小説タイトルがなかなか思い浮かばない・・・。
- 原稿の完成に満足してしまって、タイトルをじっくりと考えている余裕がなくて・・・。
- センスがいい小説タイトルの付け方や、便利なツールがあれば教えて!
こんな悩みをお持ちの方のために、小説タイトルの付け方のコツや、おすすめの小説タイトルメーカーをまとめました。
タイトルは、作品を象徴するものです。
せっかくの良い作品も、タイトルが平凡だったり意味不明すぎたりすると、読んですらもらえません。小説のタイトルは中身と同じくらい、見方によっては中身以上に重要な要素といっても過言ではありません。
というわけで、今回は、
- 小説のタイトルがもつ役割・効果
- センスがいい小説タイトルの付け方(決め方)
- 参考になる秀逸なタイトルの小説例
- おすすめの小説タイトルメーカー
こういった情報をまとめています。
この記事を読めば、いまよりもずっと自分の作品にピッタリ合ったタイトルが付けられるようになるはず。
タイトルを読者の関心を惹く気の利いたものにすることで、あなたの作品は数多くの人の目に留まるようになり、はじめて物語の良さを味わってもらえるようになります。ぜひ最後までご覧ください。
目次
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小説タイトルの役割
読者の興味を惹く
小説のタイトルがもつ最大の役割がこれです。
書店に並ぶ数多くの本、ネットなら無数に並ぶ作品の中では、ほとんどの物語は目に留めてもらうことすらなくスルーされてしまいます。
読者の関心を惹きつけ、視線を止める。そうやってはじめてタイトルの先へと彼らを誘うことができるのです。
想像力をかきたてる
タイトルを目にした読者は、「この小説はどういった物語なのだろう?」とあれこれ想像を膨らませます。
ほんの数語のフレーズが、その短さ故に様々な妄想を掻き立て、期待感を高めてくれるのです。
気になって読まずにはいられない。そんな状態になってもらえたらこちらのものです。
伏線を仕込む
巧みな書き手は、タイトルの時点ですでに何かしらの伏線を仕込んでいたりもします。
物語の重要なヒントを垣間見せることもあれば、わざと異なる展開を想像させてミスディレクションを誘うなど、伏線の仕込み方にも様々な方法があります。
作者のメッセージを伝える
物語全体を象徴するタイトルは、書き手の思いがもっとも凝縮された言葉とも言えます。
直接的なメッセージでなくても、物語を読み終えた人があらためてタイトルを見直すことで込められた深い意味に気づくといったやり方もあります。
作品に深みを与える
読者は作品そのものとタイトルが示す(込められた)意味を比較することで、物語の背景に深い意味を見出していきます。
作者が伝えたかったメッセージや、書き手が意図していない新たな発見など。文字だけの情報の中からそういった「意味」を探しだす楽しみは、読書ならではの味わいとも言えますね。
センスを感じさせる小説タイトルの付け方(実例解説)
主人公の名前を用いる
漫画やライトノベルなどで多いのがこの形です。
それ以外にも、ドラマ『半沢直樹』も有名ですね(原題:オレたちバブル入行組)。
主人公のキャラクターが立っている作品は、彼(彼女)そのものが作品を象徴するモチーフでもありますので、名前をそのままタイトルにしたほうがしっくりくることが多いようです。
海外作品でも、このタイプのタイトルの小説や映画はよく見かけますね。
名前そのものではなく、あだ名や代名詞を使う(『鋼の錬金術師』など)方法もあります。
物語の舞台を用いる
物語の舞台が特徴的であれば、それをタイトルにしてしまうのも古典作品でよく見かける手法です。
現代の作品でも、場所をタイトルにした作品はよく目にしますよね。
『不思議の国のアリス』のように舞台+主人公というのも定番です。
象徴的なモチーフを用いる
作品に登場する特徴的なモノをタイトルにするというのも、物語世界を象徴させる手法として王道です。
マクガフィン=主人公が追い求めるものをタイトルにする(『ワンピース』など)というのも、物語の方向性が明確になりおすすめです。
非常識・反社会的な言葉を入れる
常識から外れた考え方や行為、反社会的なフレーズなどを入れたタイトルは、否応なしに読者の心に「ひっかかり」をつくり関心を集めることができます。
『羊たちの沈黙』も、意味を知るとコレにあたりますかね。
ミスマッチな単語の組み合わせ
一見すると結びつきが感じられない単語の組み合わせというのも、読者に違和感をもたせ関心を惹く手法として使えます。
キーワード同士の隠れたつながりや、単語自体が意味する内容などが、そのまま物語の重要なモチーフとなっている場合が多いようですね。
ダブルミーニングにする
言葉遊びが好きな人は、ダブルミーニング(二通りの意味をもつタイトル)にチャレンジしてみるのもおすすめです。
読者がダブルミーニングに気づいたときの驚きや、気づいてもらえた書き手の喜びは、ほかのタイトルでは決して味わえない快感ですよね。
有名なタイトルをもじる
広く知られているタイトルをもじって、自分の作品のタイトルにしてしまうというのも(多少勇気がいりますが)読者の興味を惹くという意味では非常に効果的です。
単なるパクリにならないように、しっかりと物語と関連したタイトルを選び、元の作品へのリスペクトを忘れずにありがたく拝借するようにしましょう。
七五調にする
思わず口ずさみたくなるリズムが良いタイトルというのも、読者の頭に残りやすくておすすめです。
↑のように七五調のタイトルは、なんとなく他のタイトルよりも多く記憶に残っている気がしますよね。
【やりすぎ注意!】読者を集めるタイトルテクニック
読者=顧客の興味を惹くという目的からすると、コピーライティングの手法を用いるのも効果的です。
- トレンドワードを使う(ラノベなら「異世界」とか)
- 数字を入れる(『百年の孤独』『64』『2』など)
- 極端にする(『100万回生きたねこ』は↑とのあわせ技)
- 長文タイトルにする(『色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年』など)
これらはどれも高い効果が実証されているテクニックですが、乱用すると品がなかったり商業的すぎたりして、長くファンになってくれそうな読者層から敬遠されてしまう恐れもあります。
キャッチーかつ深みのあるタイトルというのがベストですが、なかなかそのバランスが難しいんですよねぇ。
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具体的な小説タイトルの決め方・コツ(4つの手順)
僕がタイトルを決めるときは、次の手順で行っています。
- 物語のキーワードを書き出す
- キーワードから連想する言葉を書き出す
- 言葉を組み合わせる
- 文章にしてみる
以下で詳しく解説します。
1.物語のキーワードを書き出す
まずは作品に登場するキーワード(キャラクターの名前やマクガフィン、印象的な台詞など)を思いつくだけ書き出します。
原稿をすべて書き上げてから行うこともありますが、僕の場合は書き始める前や書いている途中でも、気分転換代わりにこういった作業を行うようにしています。
2.キーワードから連想する言葉を書き出す
次に、書き出したキーワードから思い浮かぶ言葉やフレーズを、思いつくままにどんどん書き足していきます。
あえて逆の意味の言葉や、一見無関係そうな言葉でも、思いついた言葉はすべて書き出してしまうのがコツです。なかなか出てこない場合は類語辞典など使ってもいいですね。
これらの作業を行う際は、マインドマップソフトやアウトラインプロセッサを使うと便利です。
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3.言葉を組み合わせる
ひと通りキーワードを樹形図(マップ)状に書き出したら、今度はそれらの単語を組み合わせてみましょう。
組み合わせる際は、近くにあるキーワードよりも離れた位置にある(関連性が薄い)キーワードのほうがミスマッチが生まれて良いタイトルになりやすいですね。
それぞれの共通点(つながり)を考える中で、物語の新しいアイデアが出てくることもあります。
4.文章にしてみる
気になるキーワードの組み合わせが見つかったら、そこからタイトル案を考えていきます。
シンプルに『◯◯と●●(◯◯の●●)』みたいなタイトルでしっくりこない場合は、格言風や台詞調に言い換えてみると面白いタイトルになるかもしれません。
ここまで考えてから、一旦ペンを置いて他のことを考える(する)というのも、アイデアを出すテクニックとして効果的ですよ。
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センスのいい・秀逸な小説タイトル一覧
お気に入りの小説タイトルをコレクションするというのも、良い勉強になります。
- アンドロイドは電気羊の夢を見るか
- 月は無慈悲な夜の女王
- 流れよ我が涙、と警官は言った
- 葉桜の季節に君を想うということ
- たったひとつの冴えたやりかた
- そして誰もいなくなった
- ねじまき鳥クロニクル
- 限りなく透明に近いブルー
- アヒルと鴨のコインロッカー
- 夜は短し歩けよ乙女
- ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
- 博士の愛した数式
- 西の魔女が死んだ
- 砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない
- 狼と香辛料
- ブギーポップは笑わない
ぱっと思いつくところだと、こんな感じでしょうか。
SF作品はよく考えられたタイトルが多い印象。翻訳タイトルが秀逸というのは、原題と訳者のセンスがどちらも高いレベルでないと成立しませんからね。
小説タイトルを自動生成してくれるツール(小説タイトルメーカー)5選
小説タイトル スロットメーカー
スロットマシンのようなギミックで3つのキーワードをランダムに表示してくれるツールがこちら。
↓のようにブログに埋め込むこともできます。
タイトル案を考える以外にも、三題噺のネタ出し用としても活用できそうですね。
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小説向けタイトルジェネレーター
主人公の名前を入力すると、タイトル案を診断結果として示してくれるWebアプリ。
こちらも作品自体のネタ出しツールとして使えそうですね。
診断メーカーには、ほかにも様々なタイプのタイトルメーカーがあるので、色々と試してみるのがおすすめです。
小説タイトル生成器
芥川賞・直木賞受賞作のタイトルから抽出したキーワードを組み合わせて、即席のパロディタイトルを生成してくれるWebアプリ。
タイトルそのものを考えるツールとしてよりも、そこから想像(妄想?)を膨らませて新しいアイデアを出すきっかけづくりにするのがおすすめです。
BunCho タイトル生成
複数のキーワードやジャンルを入力すると、タイトル候補を自動生成してくれるジェネレーター。
あらすじからタイトルを作ったり、逆にタイトルからあらすじを生成するなんておもしろ機能もついています。
おまけ:半分、青い。っぽいロゴジェネレータ β
小説タイトルから「半分、青い。」っぽいロゴを作れるおもしろツール。
二文字+二文字という縛りがあるので、あえて制限ありでタイトル案を考えるトレーニングにいいかもしれません。
「タイトルはいつ決めるか?」問題(先/後)
みなさんは作品のタイトルをいつ決めていますか?
一般的には、物語の内容をある程度考えてから「仮のタイトル案」だけを決め、原稿をすべて書き終えてから正式なタイトルを決めるというのが多いようですが、それだとついつい執筆や推敲に時間を使ってしまい、タイトルを考えている時間的余裕がなくなりやすいんですよねぇ・・・。
かつては小説のタイトルはそれほど重要視されておらず、テキトーに付けていた作家も多いようですが、現代でそれは通用しません。
一部の天才ならまだしも、読者の関心を惹きつける秀逸なタイトルというのは、やはりそれなりの時間を使わないと生まれないんですよね。
そこで、タイトルは作品を書く前に決めてしまうか、遅くても書いている途中に時間を作ってじっくりとタイトル案を練るのがおすすめです。
作家の森博嗣氏などは、タイトルを最初に決めてからそれに合わせて内容(トリック含む)を考えるのだとか。個性的でセンス溢れたタイトルが多いのも納得です。
そんな理想のタイトルをあれこれと考える作業は、物語を考える作業そのものと言えるのかもしれませんね。