最近、AIを使って小説を書いている人をよく見かけるようになりましたよね。
このブログでも以前、小説を書くAIライターについて取り上げたり、実際に小説を書いてみたりしました。
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今回は、話題の『ChatGPT』を使った小説作成にチャレンジしてみたいと思います。
ネットでよく見かける「ChatGPTが書いた小説」は、人間の手でかなりの修正を加えたものが多いようので、今回はあえてChatGPTの出力テキストだけで小説の体裁が整えられるよう、上手く誘導ができればと。
AI小説に興味がある方もそうでない方も、ぜひご覧ください。
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ChatGPTで小説を書く前に
ChatGPTで期待通りのアウトプットを得たいなら、最初に「役割」を与え、これから何をするのかを伝えておくのが一番です。
- あなたはプロの編集者です。これから自分で掌編小説を書きたいので、壁打ち相手になってもらえませんか?
新しいトピックを立ち上げ、アイデア出しから始めてみましょう。
コンセプト
キーワード
最初に、物語のコンセプトを考えていきたいと思います。
今回は「ChatGPT」をキーワードに設定します。
- 関連するキーワードを挙げてください。
- 連想するキーワードを挙げてください。
- 無関係なキーワードを挙げてください。
- 無関係に見えて、意外な共通点があるキーワードと具体的な共通点を挙げてください。
こんな風に、色々とキーワードを書き出していきます。
- お題となるキーワードを出してください。
こうやって、最初のキーワード自体をChatGPTに出してもらうことも可能です。
ワンアイデア
次に、書き出したキーワードを組み合わせて、作品のアイデアを作っていきます。
- ここまで挙げたキーワードを「ChatGPT」と組み合わせて、新しい物語のアイデアを出してください。
編集者のロールプレイでわざわざ「自分で書きたい」と言っておいたはずなのに、いきなり本文を書き始めてしまいましたが、あえてこのまま進めてみましょう。
仮タイトル
試しに、ここまでの情報だけでタイトルを考えてみます。
- 一目で読者を惹きつける、この物語の印象的なタイトルをいくつか挙げてください。
- キーワードから、印象的な小説タイトルのアイデアを考えてください。
あくまで仮タイトルなので、頭の片隅に置いておくだけでOKです。
主人公
プロットの作成に入る前に、主人公のキャラ造形を行います。
願望・悩み
主人公に何かの「願望」や「悩み」を持たせると、ストーリーに勢いが生まれます。
- この物語の主人公は、どんな願望や悩みを抱えていると思いますか?
- 「○○」というタイトルの物語の主人公は、どんな願望や悩みを抱えていると思いますか?
願望や悩みは一つに絞る必要はありませんし、物語の中で変化してもOKです。
設定
核となる願望・悩みが決まったら、通常は以下のような基本情報をまとめていきます。
- 年齢
- 性格
- 特技
- 口癖
- 特徴的な仕草
- 趣味
- 交友関係
- 行動理念
- 物語内の目標・目的
今回は、ごく短い物語(ショートショート)を想定しているので、あえて特徴は細かく設定しないことにしました。
名前
キャラクターを造形していくのに、名前を軸にするというのも有効な方法です。
- 印象に残りやすい名前を考えてください。
- この人物の性格を表現したような名前を考えてください。
2つの願望のどちらにも合致しそうな「大志」を採用してみます。
苗字は、不老不死の象徴でもある「橘」を採用してみます。
結末(オチ)
掌編・短編小説は「オチ」がつきものですので、こちらも考えていきましょう。
- この物語の意外性のあるオチを考えてください。
- このオチを効果的にするために、ストーリー内に配置すべき伏線を考えてください。
こちらからもアイデアを提案してみます。
褒めてもらったので、こちらをそのまま採用したいと思います。
プロット
オチが決まったところで、プロットの作成に移ります。
- この物語のプロットを起承転結で考えてください。
- この物語のプロットを三幕構成で考えてください。
三幕構成は中・長編向きなので、今回は起承転結で考えてもらいます。
こちらで少し手直ししてみます。
動機づけとして加えた賞金要素が省かれていたので、その理由を聞いてみます。
なるほど。別のアイデアを提案してみます。
賛同してもらえたので、こちらを踏まえてプロットを修正してもらいます。
後の作業に必要なので、箇条書きにしたプロットも作ってもらっておきます。
ログライン
ある程度、物語の流れたができたら、ログラインで魅力が伝わるか確認します。
- この物語を一行で魅力的に説明してください。
- この物語を読者が読みたくなるような、魅力的なログラインを書いてください。
タイトル
プロットが固まってきたので、タイトルをもう少し煮詰めてみます。
ちょっと長いので、短くしてもらいます。
- 15文字以内でいくつか考えてください。
あまりピンとこないので、一旦物語のテーマを掘り下げてもらいます。
- この物語のテーマは何だと思いますか?
こちらからもタイトル案を提案してみます。
肯定してもらいましたが、もう少しブラッシュアップしていきましょう。
『ChatGPTの終末』あたりが面白そうなので、こちらを採用してみましょう。
これで、ひと通り準備が完了しました。
続いて本文の作成に移っていきますが、ここまで出したアイデアを厳密に守る必要はありません。偶発性を楽しみましょう。
本文作成
ゼロ稿(粗稿)
さあ、いよいよ小説の本文を作成していきます。
先ほどまでは「編集者」のロールプレイをしてもらっていたので、ここからは「小説家」にバトンタッチします。
- あなたはプロの小説家です。以下のプロットで小説を書いてください。
プロットに軽く肉付けしただけの文章が出てきましたが、たたき台としてはこれでOKです。主人公の名前や設定もあえてこのままで続行します。
初稿
お次は、有名な『深津式プロンプト』をアレンジして、以下の指示を加えつつ、さらに文章を膨らませていきます。
- 視点・文体の設定
- 会話文・アクション・心理描写の追加
勝手に続きまで書いてしまっていますが、面白そうなのでこのまま進めます。
とりあえず最後まで書ききってもらいましたので、これを初稿にします。
推敲
ここでのポイントは、原稿をチェックする役割(編集者)と、指摘を受けて書き直す役割(小説家)を別々に設定することです。
- あなたはプロの編集者です。以下の小説を読んで、感想や意見を出してください。
- あなたはプロの小説家です。以下の小説を、指示通りに書き直してください。
ChatGPTは複数のトピックを簡単に切り替えられるので便利ですね。
本文を丸ごと入力すると入力トークンの上限に引っかかってしまうため、いくつかに分割してインプットしていきます。
いくつか改善点を指摘されたので、「小説家」に直してもらいましょう。
修正案を「編集者」に再確認してもらいます。
さらに意見をもらったので、「小説家」に戻します。
気になる部分があったので、質問してみます。
謝られてしまい、逆に申し訳なく感じましたが、こちらの解釈も加えつつ、テキストを修正してもらいます。
再び、「編集者」に確認を求めます。
問題ないようなので、修正はここまでにしたいと思います。
以降、同様に残りの段落も推敲を進めていきました。
校正
ひと通り最後まで推敲が終わったら、もう一度アタマから文章を直していきます。
今回はChatGPTに出力してもらったものをそのまま使っているため不要ですが、人間が書いた文章の場合、以下のように「校正士」を設定して、ミスを直してもらうのがおすすめです。
- あなたはプロの校正士です。以下の文章の、誤字脱字・単語の誤り・タイプミス・表記ゆれなどを指摘し、修正してください。
本文を読み直して、まだ物足りない部分がある場合は、以下のようなプロンプトでさらにリライトを行います。
- 以下の文章を、より魅力的かつドラマチックな文章に直してください。
他にも気になる部分があれば、そちらも「編集者」と「小説家」に改善してもらいます。
完成
まだまだ色々と甘いですが、あくまでお試しなのでとりあえず完成で。
実際の作品をnoteにアップしましたので、よろしければ時間のあるときにどうぞ。
まとめ
今回は、ChatGPTを使った小説作成について詳しく解説しました。
記事だとスムーズに進んでいるように見えるかもしれませんが、実際は微妙な出力も多く、何度も再出力(Regenerate)やプロンプトの修正を繰り返しました。
ChatGPTだけでどこまでできるかを試してみたかったので、なるべくこちらから文章に手を加えず、ChatGPT自身で上手く修正してくれるよう促したため、
自分が直せば、すぐなのに(自分ならこう直すのに)・・・。
と、やきもきするすることもしばしば。編集者さんたちは、作家相手にこんな気持ちなのかも・・・なんて思ったり。
ChatGPTが編集者として出す意見やアドバイスは、それなりに的を射たものも多く、なかなか参考になりました。
周囲にアドバイスをくれる人がいなかったり、書いた原稿をいきなりネットで公開してあれこれ叩かれたくない人にはいいかもしれませんね。
ここまで完全に丸投げしなくても、本文だけは自分で書いたり、ネタに詰まったときだけ頭の体操に使ったりと、人によって色々な活用法ができそうです。
とはいえ、やはり創作向けにチューンされたツールではないChatGPTを無理に使い倒すこともないかなぁ・・・というのが最終的な印象。本文の出力だけならAIのべりすとみたいなツールもありますし。
英語ができる方は、『 Sudowrite 』という小説書き専用のAIライターもオススメ。
この記事が、ライターズブロックに悩んでいる作家さんたちの一助になれば幸いです。ではでは。
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