文章が短くまとめられない・・・。
要約するとき、どこを残してどこを省略すればいいの?
要約力を鍛える方法を教えて!
今回は、こんな悩みに答える記事を書いてみました。
ビジネスや小論文の課題、レポートなど、様々な場面で文章の要約が求めれられますが、短時間で要点をしっかりと押さえた簡潔な文章が書ける人は憧れてしまいますよね。
そんなデキる人になるための情報として、この記事では、
- 要約のルールと書き方のコツ
- 3ステップで要約する書き方
- 文章タイプ別の具体的な要約方法
- 要約力のトレーニング法
こんな情報をまとめています。
これらのコツをしっかりと身につければ、インプット&アウトプットの質も格段にアップすること間違いなしですよ。
※要約以外にも文章を簡潔にまとめる方法はいくつかありますので、よろしければ別記事もあわせてご覧ください。
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【誰でもできる】文章を簡潔にまとめる7つの方法【要約して削る】
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長文を3行でまとめるコツ【おすすめ要約アプリあり】
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【文章の書き方・完全解説】読みたいと思わせる文章を書く19のコツ
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正しい要約のためのコツ【5選】
文字数を比較する
まずは元の文章の文字数と、それを何文字以内にまとめるか?をしっかりと把握しておきましょう。
「文章を何パーセント削るのか?」は、それぞれの段落から要点を取り出す際の文量目安にもなります。
タイトルに注目する
文章のタイトルは「要旨」を端的に表わしているケースがほとんどです。
要旨:文章全体の中で筆者が最も伝えたいこと
要約とは、要旨を中心に段落ごとの要点をまとめたものです。
よって、実際に要約文を書く前に、元の文章の要旨をしっかりと理解しておくことが重要となります。
元の文章の順番通りに並べる
要約文は元の文章の構造を壊さないことが前提です。
文章は要旨に説得力を加えるために、具体例や別の考え方との比較といった情報を論理的にまとめています。
元の文の時点で、すでに構成が滅茶苦茶なケースでもない限り、下手に要点の並べ替えなどを行ってしまうと、論理構造が破綻してしまう恐れもあるので、自分勝手な判断で文章をいじらないように注意しましょう。
単なる文章のつなぎ合わせはNG
元の文章の要点を取り出してつなぎあわせただけでは、要約とはいえません。
特に、小論文の要約課題などでは、元の文章への理解力が試されているため、単なるコピー文はまったく評価されません。
要約したものを伝える相手のことも考え、あくまで自分の言葉でわかりやすくまとめるようにしましょう。
自分の意見を入れない
自分の言葉で書き直す、というと、ついつい自分の感情や意見が知らずしらずのうちに入り込んでしまいがちです。
要約には自分の意見や感想は一切入れない。これが鉄則です。
ビジネス文書などでも、事実と意見とがごちゃまぜになっている文章は、説得力がゼロになってしまうのでご注意を。
要約の書き方【3ステップ】
1.文章を段落にわける
まずはベースとなる文章を段落ごとに分解します。
この作業は、アウトラインプロセッサを使うと便利ですね。
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無料で使えるおすすめのアウトラインプロセッサー13選【小説家・ライター向け】
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基本的には元からある改行を目安に。改行がない文章は、「しかし」などの接続詞を基準に、話の転換部で段落分けを行いましょう。
文章には構成の類型(フレームワーク)といったものがいくつかあるので、それらと比較しながら元の文章がどういった構造になっているかを分析しておくのもおすすめです。
- 論文・ビジネス文書の構成:PREP法、SDS法など
- 物語の構成:起承転結、三幕構造など
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文章が超わかりやすくなる「PREP法」とは?【使い方・トレーニング解説】
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2.要点と要旨を取り出す
次は、段落ごとに要点=最も重要な一文を見つけ出す作業です。
要点は段落の頭か終わり(もしくは両方)にあるケースが多いもよう。具体例が書いてある場合は、その例が補則している主張に注目すると見つけやすいです。
さらに、取り出した要点の中から要旨=文章全体で最も筆者が伝えたい主張を絞り込みましょう。
こちらも文章全体の頭か終わり(もしくは両方)に要旨が書かれている場合がほとんどです。
それぞれの要点は、要旨の説得力を増すために存在しており、要点を取り出して並べるだけでも論理的な文章構成になっているはずですよ。
3.自分の言葉で書き直す
最後は、箇条書きになっている文章をしっかりと自分の言葉で書き直しましょう。
元の文章や登場する単語が難解であれば、誰でもわかるような平易な表現に直すのも忘れずに。
このときに自分の感想や意見、思い込みなどが入らないように注意が必要です。
正しい要約とは、元の文章を読んでいない人でも内容が理解できるような文章です。
すでに内容が頭に入っている状態だと、無意識に情報を補ってしまうため、できれば元の文章を知らない家族や友人などに要約文を読んでもらうといいですね。
文章別の具体的な要約方法【4タイプ】
本
1.目次を書き出す
本には目次が付いているので、段落分けは非常に簡単ですね。
最近の本は、目次のタイトルがそのまま要点になっているケースも多いのでさらにやりやすいかと。
2.文章の類型から要点をまとめる
文章構造のフレームワーク(PREP法、SDS法など)と比較し、書き出した目次がどの文章タイプなのかを分析します。
要旨はタイトルからおおよそ見当がつくはずです。
時間がなくて本を熟読する時間がないというときでも、目次からタイトルと同じ項目を見つけて、そこだけでもしっかりと読み込んでおくといいでしょう。
3.自分の言葉に書き直す
類型を参考に目次を大まかに分類し、要点を簡潔にまとめます。
さらに自分の言葉に直して、一つの文章として書き直せば完成です。
物語(小説・映画)
1.章タイトルを書き出す
物語の場合、具体的な章タイトルが付いていない場合もあるので、その際は段落ごとに書き出しの一文と終わりの一文を書き出しておきます。
映画などは原作があればそちらを参考にするといいでしょう。ただし、原作と違った話になっている場合もあるので、小説の丸写しは禁物です。
ダイジェスト版(ティザームービー)も良い参考になります。
2.物語の類型から要点をまとめる
ストーリー構造のフレームワーク(起承転結、三幕構造など)と比較し、対象となる物語がどういった構造になっているかを分析します。
物語の要旨=作者の主張は、明確に書かれていないケースがほとんどです。
本のタイトルや、作者が最も力を入れていると思われる(書きたかったであろう)シーンや台詞には、本人が意識していなくても、書き手の主張(希望や願いと言い換えてもいいです)が隠れている可能性が高いです。
3.自分の言葉で書き直す
5W1H(主人公が、いつ、どこで、どのように、何を成したのか)を目安に、書き出した文章を一文にまとめ直します。
物語の要旨は、あくまで個人の主観(推察)なので、要約文と分けて書きましょう。
新聞・ニュース
1.記事をそのまま書き写す
新聞やニュースはすでに文章が簡潔にまとめられているため、さらに短くするのが難しいものです。
そこで、まずは文章全体を一字一句漏らさずに書き写すことから始めましょう。
さらに話題の転換部に改行などを入れ、おおよその段落分けも行っておくと、後の作業がスムーズに進みます。
2.要旨と要点にマーカーを引く
報道記事は「いつ、どこで、誰が、何を、どのように行ったのか?」という5W1Hに注目して、それぞれに当たる箇所にマーカーを引きます。
社説などの意見記事は、筆者の主張と思われる部分と主張する理由、具体例・証拠などにマーカーを引きましょう。
3.自分の言葉で書き直す
報道記事は5W1Hを一文でまとめ直した後、元の文章と照らし合わせて齟齬がないかしっかりと確認すれば完成です。
意見記事は元の文章の構造通りに「主張」「理由・証拠」を一文にまとめましょう。
小論文
基本的には、課題文のジャンルによって↑からやり方を選べばOKです。
ただし、小論文の要約問題では、課題文の要約と自分の意見・感想の2つが求められるケースが多いので注意が必要です。
それぞれ別に書くよう指示される場合もあれば、単に「課題文を読んで自分の考えを◯◯字以内にまとめよ」といった出題形式もあるようです。
感想文・意見文だけが求められているケースでも、元の文章の要約は必要です。
その際は、数行程度でごくごく簡潔に要約をまとめてから自分の意見を書くようにするといいでしょう。
要約力を鍛えるトレーニング法
要約力に生まれつきの才能は必要ありません。要は技術と慣れなので、練習を繰り返すのみです。
- 同じ文章を10文字、30文字、100文字、200文字など様々な文字数制限でまとめてみる
- タイトル・見出しがない文章に、内容からタイトルと見出しをつけてみる
- 毎朝、ニュース記事を一つピックアップして友人や同僚に話のネタとして説明してみる
- 自己PR文をつくってみる
- 日記を書く(三行日記がやりやすい)
- 本や映画のレビューブログをはじめてみる
こういったものを色々と試し、習慣化していけば、自然と要約力が身についてきます。
要約の参考になるおすすめサイト・アプリ・本
日々のニュースチェックも兼ねて、冒頭で記事の内容が短くまとめられているライブドアニュースやWIRED.jpを購読すると一石二鳥です。
本の要約サイトであるflier(フライヤー)やブクペも読書のお供にいいですね。
小さなお子さんには、問題集(テキスト)も併用して行ってもらうと効果的です。
自動で文章を要約するツールが登場!?
なんと、文章を自動で要約してくれるWebアプリが登場しました。
- ELYZA DIGEST
- 自動要約 無料ツール by ユーザーローカル
- Catchy(AIテンプレートに要約ツールあり)
気になった文章をこのツールで要約してみたり、できた文章をさらに自分で手直ししてみるのも、良い訓練になりそうですね。
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すべて無料!文章(長文)要約AIツールおすすめ5選【活用のコツも解説】
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まとめ
最後におさらいです。
正しい要約を行うコツ
- 文字数を比較する
- タイトルに注目する
- 元の文章の順番通りに並べる
- 単なる文章のつなぎ合わせはNG
- 自分の意見を入れない
わかりやすい要約の書き方
- 文章を段落にわける
- 要点と要旨を取り出す
- 自分の言葉で書き直す
あとはこのやり方に従って、習慣的に要約トレーニングを続けていけば、誰でも要約力を身につけることができます。
学生・社会人にかかわらず、要約力は万人が習得すべきスキルです。
教師や上司が指導をする際、「ひとことで説明できるか?」と尋ねるシーンが多いかと思いますが、しっかりと内容を理解しているかを確認するには、要約ができるかどうかを試せば一目瞭然だからなんですよね。
急に尋ねられてしどろもどろになり、「結局、何が言いたいんだ?」と呆れられてしまわないためにも、普段から文章や物事を要約する癖を身につけておくのがおすすめです。
文章力も大切。
また、要約力だけでなく総合的な文章力(書くスキル)を上達させるためには、さらに一歩踏み込んだトレーニングが必要なのも忘れてはいけません。
要約の練習だけでもそこそこの文章スキルは身に付きますが、シーンに応じてわかりやすく伝える技術や相手に何かしらの行動を喚起させる文章術をマスターしたい人は、より本腰を入れたトレーニングも検討してみてくださいね。
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